悲願成就だ。女子プロレス「スターダム」のワンダー王座戦(29日、東京・両国国技館)は〝絶対不屈彼女〟こと安納サオリ(32)が王者MIRAI(24)を破り、同団体で初のシングル王座を戴冠した。

 勝利を告げる3カウントを聞いた安納は、静かに会場を見渡した。セコンドに就いた盟友のなつぽい、観客席から見守ってくれた中野たむも目を潤ませている。「私は今年、さらに輝くことができたかな?」と問いかけ、感無量の表情を浮かべた。

 11月18日大阪大会の同王座戦で30分時間切れ引き分けとなり、V3を許した因縁の相手は最後までタフだった。一進一退の攻防が続いたまま、気がつくと試合時間は20分を超えていた。

 王者のラリアートをくらった安納は、逆さ押さえ込みの体勢から押さえ込む必殺のポテリングを決めるも、3カウントを奪えない。直後に再びMIRAIのラリアートが命中。それでも、ここからが真骨頂だった。

 王者のミラマーレショック(旋回式みちのくドライバーⅡ)をリバースフランケンシュタイナーで切り返すと、即座に延髄斬りを発射。投げっ放しのドラゴンスープレックスから、最後はジャパニーズオーシャンスープレックスホールドで24分43秒の激闘に終止符を打った。

MIRAI(上)をジャパニーズオーシャンスープレックスで仕留めた安納サオリ
MIRAI(上)をジャパニーズオーシャンスープレックスで仕留めた安納サオリ

 2015年2月のデビューから、アクトレスガールズのAWGシングル王座、アイスリボンのICE×∞王座など各団体のシングル王座を戴冠。今年4月に約6年3か月ぶりに帰還したスターダムマットでは、アーティスト王座とゴッデス王座を巻いたが、シングル王座だけは獲得していなかった。

 特にワンダー王座は目標のベルトだった。16年5月に戴冠しV8を果たした宝城カイリ(現WWEのカイリ・セイン)、17年5月に王者となり一時はワールド王座との2冠王者に君臨した岩谷麻優の姿を見てあこがれを持った。

「私は時代や伝説をつくるタイプじゃないかもしれない。でも、私は輝く。これからもっと。それが女子プロレス、プロレス界のためになればいいと思っている。このベルトとともに輝く行動をしていく」

 決意を込めた安納が、24年のスターダムマットでさらなる輝きを放つ。