〝新モンスター〟の姿とは――。ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(30=大橋)がWBA&IBF同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)との4団体統一戦(26日、東京・有明アリーナ)を控える中、父・真吾トレーナー(52)がさらなる「進化」に太鼓判を押した。下馬評は圧倒的有利でも、井上は気を緩めずに飽くなき成長を追求している。

 大一番を控えた20日、井上と激突するタパレスが横浜市内の大橋ジムで公開練習を行った。しかし、その内容はシャドーボクシングと縄跳びに軽いサンドバッグ打ちのみ。会見でも「私の優れているところ? 試合を見れば分かる」とけむに巻くなど、井上陣営の視線を警戒して手の内を見せることはなかった。

 視察を終えた真吾トレーナーは「基本がしっかりしている。軽く動いてもしっかりしている」と分析。相手の得意な動きとして右のリードジャブから踏み込んでの左の強打があるとしながらも「尚弥が気を抜かなければ(問題ない)。一発だけしっかり気を付けてくれれば」と自信をのぞかせる。さらに「向こうが早くから来れば、早い決着になる可能性はあると思う。足を使ってきたら長引く。そうなれば追ってプレッシャーをかけていく形になると思います」と展開を占った。

 前戦7月のスティーブン・フルトン(米国)戦を終えてから約5か月。井上は「(自分の)成長とタパレス対策と、いろんな意味合いを持ってトレーニングができました」と練習への手応えを口にしている。今回の試合では、モンスターが言う「成長」はどんな形で表れるのか。

 真吾トレーナーは本紙の取材に「半年くらいでどれだけ(レベルが)上がるかっていうのもあると思うんですけど、その中でも『やらなきゃいけない』っていう本人の気持ちや意識の高さが試合に出ると思うんですよ。例えば、自分の距離をキープして(相手の攻撃を)外すかとか、そういうギリギリのところ。そういうところが、より(成長を)感じてくるんじゃないですかね」と説明した。

 何本ベルトを取ろうとも、自らの成長を求め続ける姿勢については「相手のレベルが上がるわけだから、こっちも上げなきゃいけない。そのストップはないですよ。相手が変われば、こっちも進化しないといけないから」と力説する。今回も世間の下馬評は圧倒的有利とされているが「向こうも2団体の王者なので、それを前提に勝つ練習をしていかないと」と油断は一切ない。そして「相手は常に世界王者クラスだから、練習は常にハードになっていきますよ。(今回も)自分が見ていて120%の練習でいっていると思いますよ」と全幅の信頼を寄せた。

 もはや勝敗よりも〝どう勝つか〟に注目が集まる次元になったモンスター。今回の大一番も、予想を超える結末となりそうだ。