【取材の裏側 現場ノート】米大リーグ・エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手(29)がドジャースと10年7億ドル(約1015億円)のメガ契約で入団が決まった。

 いまや名実ともに世界最高のスポーツ選手と言える大谷に対してはサッカー界でも関心が高い。日本サッカー協会の田嶋幸三会長(66)は大谷を「野球には(FWキリアン)エムバペ(パリ・サンジェルマン)、(FWリオネル)メッシ(インテル・マイアミ)クラスの選手がいる」とサッカー界のスーパースターに匹敵する存在とたびたび評している。

 日本中を熱狂させた3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕戦で始球式を務め、幼少期は野球少年だった日本代表の森保一監督(55)は、米国との決勝前に大谷が同僚へ「憧れるのをやめましょう」と演説した様子に感動したという。「大谷選手がチームのため、仲間のため、日本のために頑張ろうということを発信できるのは素晴らしい。日本を背負って戦う立場で日本のために戦うということが一番になければならない。そこを確認して試合に臨むのは本当に素晴らしい」と指導者としての観点から大谷のリーダーシップを高く評価している。

 選手目線からも支持率は高い。昨年のカタールW杯で優勝候補のドイツとスペインからゴールを奪って劇的勝利の立役者となったMF堂安律(25=フライブルク)は、WBC準決勝メキシコ戦で4―5の劣勢で迎えた土壇場の9回裏に先頭打者の大谷が右中間二塁打を放ち、ヘルメットを自ら取って激走した後、二塁上で雄たけびを上げたシーンが強く印象に残っているという。

「パフォーマンスでやったのかもしれないけど、あの一つの行動で日本中が『いける』と思ったのは、まさにリーダー」とそのカリスマ性に感嘆した上で「彼だからこそできる一つのパフォーマンスだったと思うけど、そういう選手が一人でも多くなればサッカー日本代表も強くなる」。2026年北中米W杯で優勝を目指す森保ジャパンでも、大谷級のスーパースター出現が待望される。

(サッカー担当・渡辺卓幸)