4か国の代表で争われた「アジアプロ野球チャンピオンシップ(CS)」が19日まで東京ドームで行われ、井端弘和監督(48)率いる侍ジャパンが2017年に続く2連覇を飾って幕を閉じた。各国代表は今後に向けてそれぞれ課題と収穫を得た。その一方で大会を見守ったMLB関係者の間からは、国際大会の〝主流〟からズレたルールでの試合運営に疑問の声も上がっている。

 アジア地域の若手選手育成を目的とし、第1回大会は2017年に行われた。新型コロナ禍の影響もあって中断され、今回が2度目の開催となった。「アジア最強」の称号を手にしたのは前回大会に続いて日本代表。初陣となった井端ジャパンは無傷の4戦全勝で頂点まで駆け上がった。

 今大会のチーム編成は24歳以下が中心でオーバーエイジ枠は3人。侍ジャパンは幸先よく船出した格好だが、来年11月10日から開催される第3回「プレミア12」に向けてクリアするべき課題もありそうだ。昨今の野球界で目まぐるしく変化する国際大会のルールへの適応もその一つ。最たる例は試合時間の短縮を目的とし、投球間隔に制限を設ける「ピッチクロック」だろう。

 今大会の規則には、延長戦でタイブレークを導入することやリプレー検証などについて明記されたが、投球時間への制約については触れられなかった。MLB関係者は「もうMLBや他国の国際大会では必ず両軍ベンチや内野から分かる位置にタイムが掲示されるが、なぜタイム計測を公にしないのか…」と首をかしげていた。実際に「ピンチの時など、明らかに間合いが長い場面が何度かあった」とも語った。

「ピッチクロック」は今や国際大会の主流となっており、19年の「プレミア12」をはじめ21年の東京五輪でも採用された。メジャーでも今季から導入され、走者がいない場合は「15秒以内」、走者がいる場合は「20秒以内」。WBSC主催の「プレミア12」でも走者なしの場合のみ「20秒以内」と規定されている。

 規定の時間を超えれば1度目は投手に警告、2度目からは自動的に1ボールが追加される。一方の打者側も制限時間の5秒前までに打席に入るなどが定められ、同様に警告や1ストライクの〝ペナルティー〟が科せられる。

 しかし、今大会ではそうした規定はなく試合に何らかの影響を及ぼすこともなかった。MLB関係者は「投手はむしろペナルティーを1度は食らったほうがいいくらい。良い悪いではなく、自分の動作間隔に対してのもの。規定内に投球をするための、意識を植えつける意味でもね」と指摘。メジャーでも「ピッチクロック」に慣れるまでは〝時間オーバー〟となり、ペナルティーを食らう投手が続出した。それだけに〝前向きな失敗〟は今大会で経験しておくべきだったというわけだ。

 来季のNPBで「ピッチクロック」が採用されるかどうかは決まっていないが、来秋の「プレミア12」では導入される公算が大きい。今大会はまさに「プレミア12」もにらんだ位置づけの大会だっただけに、より〝本番仕様〟の予行演習となればさらなる収穫を得られたのかもしれない。