昨年10月に亡くなった故アントニオ猪木さんの生誕80周年イベント「燃える闘魂・アントニオ猪木展」が、15日から大阪・阪神梅田本店で開催される。猪木&モハメド・アリのガウンや、アリから猪木さんに送られた本物の手紙など貴重な品々が展示されるが、今回初公開となる展示品は猪木さんが〝借金王〟に宛てた直筆メッセージだ。

 2007年当時、トラブルを起こして人生のどん底にいた安田忠夫氏を再起させるべく旧IGF大会に参加させる際に、便せんに不肖の弟子への思いをしたためた。猪木さんにとって安田氏は特別な存在。猪木元気工場の宇田川強取締役はかねて「安田さんのことは最期まで気にかけていましたね」と明かしているが、なぜそこまで借金王を気にかけていたのか。

 安田忠夫といえば、01年大みそかに行われた伝説の格闘技イベント「猪木祭り」で猪木軍の大将に抜てきされた。猪木軍は小川直也が出場を辞退し、藤田和之はケガで欠場と飛車角落ちの状況。そんな中で安田は圧倒的不利の下馬評を覆し、メインでK―1のジェロム・レ・バンナから奇跡の大金星を挙げ、見事に大会を締めてみせた。

「この安田戦は猪木さんがプロデュースした中でも、最大のヒット。誰も安田さんが勝つとは思っていなかったし、残酷ショーを見に行くみたいな感じだったけど、捨て身で戦って、会場の雰囲気も安田一色になった」(宇田川氏)

 猪木さんにとっても、借金王のブレークは最高傑作と言っていいプロデュース作品だったわけ。もちろん「出来の悪い子ほどかわいい」という思いがあったのは言うまでもないが…。