プロ野球12球団の所属選手がMLB移籍の際に利用するポスティングシステムの申請が1日からスタート。NPB(日本野球機構)が申請を受理し、MLB30球団に契約可能選手として通知されてから翌日以降の45日間が交渉期間となる。申請期間は12月15日までだ。
すでに球団側から了承を得た日本ハムの上沢直之投手(29)が同制度でのMLB移籍を目指すことを表明。オリックス・山本由伸投手(25)やDeNA・今永昇太投手(30)の動向も注目される中、西武・高橋光成投手(26)は同制度を利用する形で今オフのメジャー挑戦を球団側に直訴しているものの却下され続けている。
高橋光は「選手生命は短い。ライオンズは大好きですけど、早いうちに挑戦したいという気持ちは変わりません」と強いメジャー志向を訴えている。とはいえ、同制度が選手側の権利ではない以上、球団の判断は変わらず渡辺GMは「今年は難しい」との結論を本人に通達済み。今オフの移籍の可能性は閉ざされている。
しかし、高橋光は手をこまねいているわけではない。今オフのMLB移籍市場でエンゼルス・大谷翔平投手(29)に次ぐ目玉となっているオリックス・山本由伸投手(25)と同じ米大手代理人事務所・ワッサーマン社のジョエル・ウルフ氏(53)と代理人契約を交わしたとされる。
もちろん、クライアントに〝2億ドル右腕〟山本由を抱えるワッサーマン側の最優先事項は3年連続沢村賞右腕の超大型契約締結にある。高橋光に関しては来オフ以降、できるだけ早い時期に西武側から移籍の確約を取ること。移籍への足場を固めることの方にある。
プロ8年間で65勝57敗、防御率3・41の高橋光はプロ7年間で70勝29敗1セーブ32ホールド、防御率1・82で、3年連続沢村賞を受賞した山本由に比べれば、移籍市場で争奪戦となる存在感はまだない。
とはいえ、「代理人とのつながりやチーム事情によってはメジャー契約を出してくる球団はあるかもしれない」(ア・リーグスカウト)と言われるように、MLB市場では野手に比べて日本人投手の評価は安定しており、1年でも早く市場に出ることでそのチャンスも広がってくる。
その一方で、西武は高橋光以外にも近い将来にポスティング移籍を目指す平良海馬投手(23)や国内FA権取得が近づく今井達也投手(25)ら先発投手陣が野手に代わる新たな〝FA〟〝ポスティングラッシュ〟の主役になろうとしている。
西武では浅村栄斗(楽天)、炭谷銀仁朗(楽天戦力外)、菊池雄星(ブルージェイズ)がFAやポスティング移籍でチームを去った18年オフから近年、落ち着いてチーム作りができるような状態ではなくなっている。
球団周辺からは「これでは現場は完全に代理人たちの草刈り場。時間とコストをかけて選手を育てても、何のリスクも負わない連中に横取りされて金儲けの道具に使われていく。これでは選手の育成が全く追いつかない」とやり場のない本音も漏れてくる。
スカウティングと育成に定評がありながら資金力で劣る西武は、FAとポスティングシステムという2大移籍制度に翻ろうされ続けている。












