〝マッチョ化〟の舞台裏とは――。カーリングの世界選手権出場枠を争うパンコンチネンタル選手権が29日にカナダで開幕し、北京五輪銀メダルで女子日本代表のロコ・ソラーレ(LS)が連勝スタートを切った。スキップ・藤沢五月(32)は再び世界の頂点に挑む一方で、今夏はムキムキボディーを披露して世間の注目を独占した。そこでトレーナーのマムシ〇口子氏(まむしまる・くちこ=34)を直撃。異色の経歴を持つ同氏が藤沢との出会いや、指導中の驚きのエピソードなどを明かした。

 ボディーメイクがマムシ〇氏の人生を大きく変えた。専門学校卒業後は劇団員に軸足を置いて活動していたが、20代後半に差し掛かったタイミングで多くの仲間が辞めていった。「『マムシ〇がこんなすごいことやっている』とどこかで知って、ちょっと後悔させてやりたいみたいな気持ちもありましたね」。もともと劣等感を抱きやすいタイプだったが「何かの一流になりたい」と一念発起。2020年から本格的にボディーメイクをスタートさせた。

 トレーナーに指導を仰ぎながら、ユーチューブやSNSでも猛勉強。やがて自身のトレーニングの様子をユーチューブやインスタグラムで紹介するようになった。「ボディーメイクって孤独にやっているイメージがあると思うが、大会はある意味ショービジネスというか、エンタメ性につながる部分もある」。増量期や減量期だけでなく、大会後の爆食シーンなども公開。より多くの人にボディーメイクの面白さを知ってもらうことが狙いの一つだ。

 さらに昨年の「FWJ Beef Sasaki Japan Classic 161センチ未満の部」で優勝したこともあり、注目度が上昇。すると、今年2月に藤沢からインスタグラムを通じてDM(ダイレクトメッセージ)が届いた。マムシ〇氏は「最初はファンのアカウントだと思っていました(笑い)。やり取りでも『ボディーメイクでがっつり減量してみたい』『ちょっと大会にも興味がある』と聞いていたので」。オンラインで初めて話した際にようやく藤沢だと気づき「びっくりしましたね」と苦笑いで振り返った。

 藤沢は世界の第一線で活躍するアスリート。もともとトレーニング関連の知識は高く、ボディーメイク用の筋肥大を目的としたメニューに着手した。食事面では「もともと代謝がかなり良かったので、玄米とかを食べながら、野菜を結構たくさん食べるような感じにした」。以前は間食でお菓子を食べることもあったところを、野菜に変更した。藤沢も「おなかをいっぱいにする食べ物を野菜にしたら、やせるんですね」と効果を実感していたという。

 大会の出場を目指すにあたり、ポージングの練習にも取り組んだ。マムシ〇氏は「藤沢選手は本当にフィードバックがすごく早かった。例えば藤沢選手からポージングの動画を送ってもらって『ここが変だよ』とアドバイスを送ると、次、動画が送られてきた時にはもう直っていました」。

衝撃のムキムキ姿を披露した藤沢五月(写真提供=FWJ)
衝撃のムキムキ姿を披露した藤沢五月(写真提供=FWJ)

 藤沢は常日ごろ氷上でミリ単位の調整をしながらショットを放ち、何度もチームの窮地を救ってきた。そんな繊細さを競技外でも遺憾なく発揮する姿に「修正力と理解力は本当にすごかった。中盤になってくると『なんか話さなくて大丈夫かな』というぐらいでした」と目を丸くした。

 藤沢は約2か月半で体を仕上げ、7月に開催された「MOLA CUP」ビキニクラスのノービスで3位、オープンでも2位と健闘。そんな姿はマムシ〇氏にも大きな刺激となっている。「自分の成績やユーチューブでボディーメイクが広まっていったり、他の方をサポートしたりなど、いろんなやり方があると思うが、藤沢さんがトレーナーに選んだマムシ〇ってやっぱりすごかったと思ってもらえるような人になりたい」と力を込めた。

 藤沢と活躍の場は異なっても、目指すはともにトップの世界。マムシ〇氏の挑戦は、まだ序章にすぎないようだ。

服を着ていてもマッチョなマムシ〇氏
服を着ていてもマッチョなマムシ〇氏

 ☆まむしまる・くちこ 1988年12月21日生まれ。東京都出身。専門学校卒業後、芸能プロダクション「YORO’s」に所属し、劇団員や絵本読み聞かせなどの活動を展開。ボディーメイクは2020年に始めた。現在は食事指導、ダイエットサポート、ビキニフィットネス、パーソナルサポートなども行っており、ユーチューブでも自身のトレーニング方法を惜しみなく伝えている。カーリング女子でロコ・ソラーレのスキップ・藤沢五月もファンの一人。160センチ。