虎将が日本一へ向け、仕切り直しを図った。1勝1敗のタイで迎える日本シリーズ第3戦を翌日に控え、阪神は30日に甲子園で約2時間の全体練習を行った。
31日から第5戦までは本拠地開催。「関西シリーズ」とはいえ、この3試合、甲子園のスタンドは熱狂的な虎党で埋め尽くされることが確実だけに岡田彰布監督(65)も「お客さん入ってな。そうなったら、また違ってくる」と大歓声の〝後方支援〟を歓迎した。
悲願の日本一まで最短3試合。この日本シリーズはドロー決着にならなければ泣いても笑っても、最長で残り5試合が正念場となる。ラストスパートをかけようとしている虎将に対し「非情にいけよ」と助言を送るのが、岡田監督の恩師・石山建一氏(81)だ。
同氏は岡田監督が「師」と仰ぐ、早大時代の指揮官。阪神を18年ぶりのリーグVへと導いたまな弟子の雄姿を目の当たりにし「本当にうれしかったねえ」とほほ笑む。公式戦最終戦となった10月4日のヤクルト戦(神宮)終了後にはささやかなリーグV祝勝会を開き、その席上でCS、日本シリーズと続くポストシーズンの短期決戦に臨む虎将へ向け、石山氏は前出の金言を授けたという。
岡田監督は球界内でこそ歯に衣(きぬ)着せぬ忖度なしの発言によって「厳格」や「辛口」のイメージが強いが、実際は〝義理人情の人〟だ。例を挙げれば就任1年目の今季、レギュラーシーズン終盤で主力の面々がタイトル争いを繰り広げると全面バックアップ。他球団のライバル選手たちの動向を逐一確認し「最終的に決着がつくまでは…」と、あらゆる可能性を模索しながら起用法で頭をひねらせていたのは記憶に新しい。最終的に村上が最優秀防御率、中野は最多安打に輝くなど虎将の〝温情援護〟も相重なって阪神からは実に5人のタイトルホルダーが誕生している。
そうした一面をよく知るからだろう。石山氏は岡田監督について「とにかく選手思い。何とかして、選手にいい結果を残して自信をつけてもらいたい、いい待遇を勝ち取ってもらいたいと、采配でも常に人情を感じる」としながらも、続けて「シーズンではそれは素晴らしいことだけど、CSや日本シリーズの短期決戦では、それがアダになることもあるから。だからCS前に『非情にいけよ』って伝えたんだ」と明かした。
38年間遠ざかっている日本一まで、あと3勝。心を鬼にしたなりふり構わぬタクトで、教え子が栄光のゴールへたどり着くことを恩師も祈願している。













