ソフトバンクが〝臥薪嘗胆の秋〟を送っている。2017~20年の4年連続日本一から一転して、3年連続V逸でシリーズ出場からも遠のき早いオフ期間に入っている。

 王貞治球団会長がナインに説いたのが〝日本シリーズ学習のススメ〟だった。悔しさをかみしめながら今季の「勝者」である2チームの戦いを目に焼き付けることで、チームに足りなかったものや、自らを成長させるための課題が見つかるかもしれない。23日の秋季練習初日には円陣でこのようにゲキを飛ばしていた。

「これから日本シリーズが始まる。自分を高めるために見るのもいいと思う。勝った負けたじゃなくてね。オフとはいえ、野球に頭、心をつけておかないと日にちは過ぎてしまう。こういう時しか、こういう気持ちって味わえない。(6度の日本一となった2014年からの)7~8年はすごく良かったからあまり真剣に考える時間がなかったと思う。このオフは自分自身と向かい合って自分の正直な気持ちを引き出してほしい」

 実際に客観的に見ることで改めての気付きもある。初戦を見てもオリックス・山本由伸が7失点で攻略される驚きの展開だった。阪神・村上がしぶといオリックス打線を相手に見せた快投に、投手陣から「とにかくコントロールが素晴らしかった。分かっていることだがコントロールの大事さを感じた」との声も上がった。

 今オフ、球団フロントは世代交代を推し進めるために思い切った戦力外を断行した。王会長の「この世界はそういうこともある。ふるいの穴に落とされないためには、とにかく自分自身を大きくするしかない」との言葉は重い。

 来季はさらなる待ったなしの状況が待ち構えているかもしれない。各選手が高い意識でレベルアップを模索し、チームは常勝復活を果たせるか――。