新日本プロレスのミスターこと永田裕志と、性悪王・鈴木みのるが、10月9日両国国技館大会で、6人タッグ7連戦最終戦後にまさかの歴史的握手を交わし“犬猿タッグ”結成が確実視されている。両雄は高校のレスリング部時代から40年、プロ入りしてから20年以上も殴り合ってきた因縁の仲だ。
年末には「ワールドタッグリーグ」(11月20日、後楽園で開幕)も控えており、2人が出場するのかに注目が集まっている。永田は「組んだ以上は、そういう期待する声も届いてます」と意欲的な姿勢を示した。一方のみのるも「お前の持ってるそのストロングスタイル、俺の心の中にあるストロングスタイル、合わせたら強いんじゃねえか?」と前向きで“犬猿タッグ”実現に期待は高まる一方だ。
みのるは2003年のプロレス復帰以来、様々な団体で横暴な暴れっぷりを見せてきた。04年には帝王・髙山善廣と新日本に参戦。05年にはノアに参戦し、丸藤正道とGHCタッグ王座を獲得。06年には全日本で太陽ケアから3冠ヘビー級王座を奪取。07年にはA・T・ブッチャーとまさかのコンビを結成して世界最強タッグに乗り込んだ。11年からは鈴木軍を結成して新日本、ノアのマットを我が物顔でのし歩いた。
全日本を主戦場としていた06~10年、みのるは数々の「まさか」を実現させた。最大のサプライズはともにパンクラスを旗揚げした船木誠勝との全日本史上初となる金網デスマッチだろう。船木は09年にプロレスに復帰し、9月に全日本マットでみのるとシングルで激突。みのるは感情むき出しで船木に向かって行ったが、結果はみのるの反則負け。完全決着をつけるべく、両雄は10年3月21日両国国技館で王道マット初の金網マッチで激突した。
『因縁の犬猿対決は予想以上に死線をさまよう壮絶な決闘となった。リング四方は金網で囲まれ、一切の退路が断たれた。張り詰めた緊張感を切り裂いたのは船木だった。マウントをとると顔面にヘッドバットを連発。頭をカチ割って大流血させた。だが長年にわたって憎悪を募らせていた鈴木もひるまない。船木を金網に放り投げて顔面から鮮血を噴き出させる。張り手を出せば合わせ鏡のように打ち返される。試合が大きく動いたのは15分過ぎだ。この日3度目の鈴木のスリーパーを振りほどいた船木は浴びせ蹴りを一閃。性悪男の視線は宙をさまよい、足元はおぼつかない。今しかない。船木は張り手9連発から戦慄のヒザを鈴木のアゴに突き刺す。鈴木は「へへへ…」と不気味な笑みを浮かべながら、前のめりに倒れ込みピクリとも動かない。10カウントが数えられる。19分3秒、KOだ。船木はついに天敵に引導を渡した』(抜粋)
全日本の歴史を変えるような異様な緊張感に満ちた壮絶戦だった。ここでも船木とは“犬猿の仲”と書かれている。何と敵の多い男だ…。みのるは同年4月11日のチャンピオン・カーニバル決勝戦で船木を撃破。船木から初勝利を挙げて2連覇を達成し、リベンジを果たした。2人はリング上で抱き合い和解を果たしている。何か永田との電撃和解と重なるものを感じる。
みのるは同年5月に3冠を獲得すると翌年から新日本に戦場を移し「鈴木軍」として大暴れする。15年からはノアを襲って壊滅状態に追い込んだ。55歳にして常に第一線で戦い変化を求めつつ、一定の場所に安住することを嫌う性悪王には今後も大きなサプライズを期待したい。 (敬称略)













