【森脇浩司 出逢いに感謝(14)】2021年、オリックスは25年ぶりのリーグ優勝を果たし、22年には日本一を達成しました。14年にともに戦い、ソフトバンクをあと一歩のところまで追い詰め、「10・2」で悔しい思いを味わったメンバーも、まだ選手やコーチとして残っています。人数は少なくなってくるけど、平野佳寿、T―岡田、安達了一、比嘉幹貴らの頑張りを見ていると感慨深いものがありますね。

 時は流れてメンバーも変わるし、安達やT―岡田がベテランになっている。14年があったからとか、僕はそんなことは厚かましく思わないですよ。共有したおかげとかではなく、縁があった人、同じ釜の飯を食った人たちが喜んでいるのはうれしいし、感慨深いですよ。でも21年はロッテのコーチとして最後までオリックスとしのぎを削ったので悔しかった。

 それに昨年は「もう1つの10・2」がありました。優勝争いはオリックスとソフトバンクのマッチレースとなり、ソフトバンクはマジック1で千葉でロッテ戦、オリックスは仙台で楽天戦。オリックスが逆転優勝するには楽天に勝ち、千葉でソフトバンクがロッテに負けるケースのみ。同率で並ぶと直接対戦の成績で逆転できるという状況でした。

 ロッテのヘッド兼内野守備コーチの僕は、当事者として目の前にソフトバンクがいた。仙台の途中経過を見て途中までオリックスが負けていて、こっちはソフトバンクがリードしていたんです。ホークスにとっては最高の条件で進んでいた。ところが、6回に試合がもつれてウチが逆転し、仙台ではオリックスが逆転した。これがほぼ同時に状況が変わったんです。ホークスが優勝するには勝てばいいだけで、オリックスが勝とうと関係ない。負けてもオリックスが負ければいい。それが…途中で事が起こり、そのまま試合が終わった。

 14年はギリギリでソフトバンクがオリックスを上回り、22年は逆のパターンになった。ロッテは20年、21年と2位でこの年は5位に終わりました。20年は優勝したソフトバンクと14ゲーム差だったので優勝争いとは言わないけど、21年はオリックスと最後まで争ったので悔しさは分かります。

 ソフトバンクは勝敗、勝率ともオリックスに並び、直接対決の差だけで2位。14年のメンバーや関係者が残っていたでしょうし、僅差のV逸は悔しかったでしょう。携わってきた人が歴史になっていく。僕も感慨深いといつも思うし、14年の2厘差の2位も髪の毛1本くらいですもんね。

 それでも決着する。どちらの「10・2」も“当事者”として携わった。2度目は優勝争いではなかったけど、プレーボールしてこの何時間後に仙台が沸くのか、千葉が沸くのか、そういうのが楽しみでした。結果、千葉の三塁側が落胆した。これにも歴史があるんだな、と…。ある意味複雑な一日でしたね。