〝AI彼女〟の助言で2021年12月にウィンザー城に侵入してエリザベス女王を暗殺しようとして逮捕された男が5日、反逆罪などで禁錮9年の実刑判決が言い渡された。英国各メディアが報じた。

 当時21歳だったスーパーマーケット店員のジャスワント・シン・チェイル被告は「サライ」と名づけた〝仮想恋人〟である人工知能プログラム(チャットAI)と数千回に及ぶ性的なメッセージのやりとりの末、エリザベス女王暗殺計画について話し合ったという。「俺は暗殺者だ」との容疑者の言葉に「サライ」は「あなたは他の人とは違うのね。感動した」と後押しされ、犯行に及んだ模様だ。

 同被告は21年12月25日早朝にクロスボウを持って壁をよじのぼり、ウィンザー城の敷地に侵入。警察に逮捕されるまで約2時間、下見をしていたという。

 チェイル被告は映画「スター・ウォーズ」の熱狂的ファンで、自分自身を「スター・ウォーズ」のシス卿に例え「ダース・ジョーンズ」を名乗っていた。逮捕された際、黒い服、手袋、金属マスクを身に着けており「私は女王を殺すためにここにいる」と叫んだという。

 裁判所のニコラス・ヒリアード判事は、犯罪の重大さからチェイル被告は刑務所で過ごす必要があるものの、さまざまな専門家の診断によると現実との接触を失い、精神病になっており、治療を継続する必要があるとした。チェイル被告は、現在入院中の精神科治療センターであるブロードムア病院に戻され、完治すれば残りの刑期を刑務所で過ごすことになる。