【球界こぼれ話】来週でペナントレースが終わり、10月中旬から両リーグでクライマックスシリーズ(CS)が始まる。

 今シーズンはリーグ優勝した阪神、オリックスがともに独走状態。このままいけば両チームとも2位に10ゲーム差以上を離してシーズンを終える。そんな圧倒的な強さを見せつけたにもかかわらず両軍ともCSファイナルで敗退すれば日本シリーズには進出できない。「それがCS」と言えばそれまでだが今季に限ればこのルール、やはり不公平感が否めないのではないか。

 6戦4勝制のCSファイナルの要項では1位チームに本拠地開催権と「1勝」のアドバンテージが与えられる。「引き分け」も上位チームに優位性がある。リーグ優勝を果たした1位チームが日本シリーズ進出に向け「敗者復活戦」を強いられるのがCS。その程度の恩恵を受けるのは当然だろう。だが、シーズンで2位以下に10ゲーム差以上をつけながら本拠地戦とはいえ「たった1勝のアドバンテージ」と考えればどうか。半年に及んだ長いペナントレースを制した対価としてはあまりにも少な過ぎると言わざるを得ない。

 実際、現場でもこうした不満の声は広がりつつある。

 先日、あるパ・リーグ球団幹部がこうつぶやいていた。

「仮にシーズンの首位チームと2位、3位のゲーム差が5ゲーム以内なら、まだCSで勝ち上がってきたチームの“下克上”にもファンを含めた周囲は納得するでしょう。でも首位と10ゲーム差以上離されたチームがCSを勝ち上がり日本シリーズ進出となった場合、戦う選手やファンはどう感じるか。おそらく心情は複雑になるはずで、日本シリーズ、日本一の価値にも影響を及ぼしかねない。そう考えればシーズンのゲーム差をもう少しCSに反映できるようルールを改訂、細分化する時期にきているのかもしれない。ペナントレースで10ゲーム差を巻き返すことは困難極まりないですからね」

 2020年以降、日本シリーズはリーグ制覇を果たしたチーム同士の戦いだったため、こうした話題や課題点は注目されなかった。だが、今年は両リーグとも優勝チームが圧倒的大差で強さを見せつけた。これでCS敗退となれば選手やファンに与える衝撃は計り知れない。

 誰もが納得するルール作りは難しいが、CSは04年の導入から試行錯誤を経て20年を迎えようとしている。

「下克上」の痛快さを残す一方、リーグ優勝チームへの敬意や配慮も忘れるべきではない。