またも世界を驚がくさせた。エンゼルス・大谷翔平投手(29)が28日(日本時間29日)の敵地ブルージェイズ戦に「2番・DH」で先発出場し、初回の第1打席で右翼席へ2試合連続の39号ソロ。前日27日(同28日)に敵地でタイガースを相手に行われたダブルヘッダーでは第1試合でメジャー初完投初完封を成し遂げ、第2試合では37号2ラン、38号ソロと2打席連続本塁打を放つも「けいれん」で途中交代。心配する米メディアからは「もし翌日も普通にプレーできたら人間じゃない」との指摘も飛び出していたが…。難なくスタメンに名を連ね、しかも前日から数えて自身初の3打席連続弾まで放った大谷はそれをあっさりと「証明」してしまった。

 敵地ロジャーズ・センターのスタンドが大きくどよめいた。初回一死の第1打席、相手右腕ガウスマンが投じた初球93・4マイル(約150キロ)のフォーシームをとらえた大谷は右翼スタンドへ“驚弾”を叩き込んだ。打球速度103・5マイル(約167キロ)、飛距離397フィート(約121メートル)の特大弾は前日のタイガース戦ダブルヘッダー第2試合から数え、自身初の3打席連続となる39号先制ソロ。本塁打は両リーグでトップ独走、これでシーズン60発ペースだ。日本人メジャーリーガーとして3打席連続弾は今年5月16、17日(同17、18日)の敵地アストロズ戦でカブス・鈴木誠也外野手(28)が記録して以来2人目の快挙となった。

 前夜の余韻もまだ冷めていない。MLB公式サイトは大谷がダブルヘッダーのうち1つの試合で完封し、もう一方の試合で2本塁打を放った「MLB史上初の選手」となったことを称賛。掲載記事の中で「無双状態のオオタニが私たちを驚嘆させる新たな方法をまた見つけたようだ」とリポートした。

 完封と2本塁打を1日で同時に果たしたのは1971年6月23日(現地時間)のレッズ戦に「9番・投手」でフル出場したフィリーズのリック・ワイズ氏がノーヒットノーランと2本塁打を達成して以来、大谷がMLB史上2人目。52年ぶりの快挙を成し遂げた大谷についてワイズ氏が「驚きのあまりに目を丸くしている」ことに関しても同サイトは詳細に伝えた。

 同記事では「オオタニがこの偉業を成し遂げている間、ワイズ氏はペンシルベニアで開催されたチャリティーゴルフイベントに参加していた。しかし帰宅してテレビをつけると、77歳の彼はこの二刀流のスーパースターに改めて驚嘆し始めた」とつづられ「ただ、彼はそれを成し遂げられる男がこの世に1人いることを知っていた」とも続けられている。ワイズ氏は二刀流プレーヤーとして大暴れを続けている大谷こそが、現代のMLBで「当初はもう二度と現れないだろうと思われていた記録」(同サイト)に並ぶ“レジェンドプレーヤー”になると確信していたようだ。

 その一方、大谷はタイガースとのダブルヘッダー第2試合で2打席連発の38号ソロを放った直後に左腰付近を気にするそぶりを見せ、7回に代打を送られて途中交代となったことでコンディションが不安視されていた。球団発表によれば筋肉の「けいれん」で試合後のネビン監督は軽症を強調していたものの、米メディアや有識者の間からは「さすがに翌日の試合出場は難しいのではないか」との声が飛び交っていた。

 米スポーツ専門局「ESPN」でも同日夜に放送された「Sports Center」の番組内で同局アナリストのデーブ・ウィンフィールド氏(71=エンゼルス、ヤンキースなどでプレーした殿堂入り選手)が「ビッグリーグの試合において相手を111球でシャットアウトした後、もう1つの試合でフルスイングしながら2本のホームラン。そんなダブルインパクトをやってのけたのだから、これまで数々の奇跡を起こしてきたオオタニであっても体が悲鳴を上げるのは当然のことだ」と指摘。そして心配の目を向けながら「もし翌日の試合でも彼が普通にプレーできたら人間じゃない」ともコメントしていた。

 ところが、当の大谷は周囲の不安をヨソに平然としていた。タイガースとのダブルヘッダー2試合が終了した後、クラブハウスでは食事とともに用意されていたイチゴの特大ケーキを手にし、いつものようにリラックス。チームメートとともに専用機でブルージェイズ3連戦が行われるトロントへ――。そして一夜明け、この日に敵地でスタメンに名を連ねると3打席連発の衝撃弾を放った。人間を超越した大谷のさらなる進化は今後も止まらない。