4月に左ヒジの遊離軟骨除去手術を受けた中日・大野雄大投手(34)が今季中の一軍復帰へ向け、着々と牙を研いでいる。

 今月13日に術後初となるブルペンで傾斜を使ったキャッチボールを開始。今週末にも捕手を座らせての投球練習を敢行するという。ここまでは予定通りだが、実戦登板までの道のりは長い。大野雄は「正直、傾斜で投げていても良い時と悪い時がある。悪い時は患部にはどこかしら違和感がある。その違和感とは今後も付き合っていかないといけない。その中で、どうやって投げていくことができるか」と現状を打ち明ける。

 ケガの功名もあった。ここ3か月間は筋力トレーニングを、みっちり行ってきたという。「これまで何回か挑戦したことはあったが、シーズン中の体のダメージがすごく大きくてやらないようにしていた。たくさん時間があったので、背中とかの上半身、下半身などいろんな部位の強化をトレーナーさんの指示のもとやってきた。実際に筋肉量が増えてきて、パワーもついてきた。間違いなく成果は出ている」と手応えを口にした。

 筋トレへの取り組みには明確な狙いがあった。9月末で35歳になるベテラン左腕は「沢村賞を取った2020年に147キロぐらいあった平均球速が、徐々に1キロずつぐらい落ちてきている。自分はやっぱり真っすぐの投手。もう1回、平均球速や球の強さを求めていきたかった」と力を込めた。

 チームは中日は25日のDeNA戦(バンテリン)に3―5で敗れて4連敗。首位阪神から14・5ゲーム差の最下位にあえいでいる。

「目標は1年間ローテーション守ることだったのに、今年は春の1試合だけで終わってしまった。ある程度、僕がいたら計算されていたという自覚もある。そこが一枚抜けたのは痛くないはずはない。申し訳ない気持ちはある」

 エースとしての責任を痛感している。大野雄は「やってしまったことはしょうがない。8月中は無理だとしても9月に入って今季中には1試合でも2試合でも投げられるようになっていたい。チームもその時までなんとか諦めず、ここから粘ってほしい。(リーグ優勝やCS進出は)誰も諦めていないだろうし、僕もそこに向けて一緒にやっていきたい」と前だけを見ている。