【ライガーが語る獣神激論(特別編)】獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。特別編として新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」(15日、札幌で開幕)A~Cブロックの展望を占った前編に続き、後編ではDブロックの突破2選手、決勝トーナメントの行方を徹底分析だ。史上最多となる32選手が参加する今大会の優勝者に予想したのは、まさかの〝あの男〟だ――。

【Dブロック1位=ジェフ・コブ、2位=矢野通】

 タナ(棚橋弘至)はね…ちょっと厳しいと思うんだよね。これを言うと皆さんに「おい、ライガー」って言われるかもしれないけど、漫画の世界の話じゃないから。時間は進んでるんだ。今年47歳でしょ? ぶっちゃけ言うけど、普通ならG1、もう出られないよ。俺はタナが大好きだし、新日本を救ってくれたと思う。だけど現実は現実。それ以上は言わないけど…このメンバーに入って1か月戦うのは大変だと思う。

 となると誰が残るか。ザック・セイバーJr.は確かに強いよね。丸め込みもサブミッションも得意。でもそこをみんな当然、警戒はすると思うんだよね。そうなるとザックも厳しくなるかな。

 内藤(哲也)もヒザ(の状態)が怖いんだよね…。体の頑丈さで言えばコブかな。昔のスタン・ハンセンみたいにダンプカーみたいなんだもん。抜きんでたものがあるよね。

 もう一人は矢野かな。手練手管、使ってくる気がするんだよね。ほかにいないじゃん、こういうタイプは。だからこそ、トーナメントに出てきたら面白いなって期待もあるから2位で通過を予想します。

【準々決勝、ヒクレオ(Aブロック1位)対EVIL(Cブロック2位)】

 EVILがセコンドをどう使ってくるか。体力、体格のアドバンテージを考えるとヒクレオにも優位な部分があるんだけど、EVILかな。打たせて打たせて、耐えて耐えてセコンドを使ってって感じかなと思うんだけどね。

【準々決勝、オカダ・カズチカ(Bブロック1位)対矢野(Dブロック2位)】

 盤石の強さを誇るカズチカの3連覇を阻むのは、矢野みたいな選手なんじゃないかな~。一瞬の隙で丸め込んじゃう。そうなるとファンも期待すると思うんだよね。「これ、矢野いっちゃうんじゃね?」「カズチカに勝っちゃったよ」みたいにね。

【準々決勝、タマ・トンガ(Cブロック1位)対グレート―O―カーン(Bブロック2位)】

 ここはオーカーンかな。姿かたちは「何コイツ?」みたいなところあるけど、確かな実力あるからね。レスリング、サブミッション、ラフも使えてパワーもある。そういう実力者がポンと上に上がっても、みんな納得だと思う。

【準々決勝、コブ(Dブロック1位)対SANADA(Aブロック2位)】

 この組み合わせなら実力でSANADA選手かな。彼は「Just 5 Guys」に入って、自己主張を進んでやるようになったよね。そこが自信にも責任感にもつながってると思うんだよ。コブだと今のSANADA君を攻略するのは難しいと思う。

【準決勝、EVIL対矢野】

 しっくりくるのは矢野選手があの手この手で勝つ絵かな。EVILがセコンド連れて来るのも分かってるわけで、彼の頭の中のコンピューターはそれ以上に動いているはず。そのセコンドを逆利用して攻略しちゃうんじゃないのって思うよ。

【準決勝、オーカーン対SANADA】

 両者のスタミナは変わらないと思うんだけど、いざとなった時の手数は、ラフも含めてオーカーンの方が上なんじゃないかな。SANADA選手は王者だから、準決勝に来るまでに満身創痍になってる可能性が高い。しかも僕の予想では直前にあのコブと戦ってるから一層厳しくなると思うよね。

【優勝決定戦、オーカーン対矢野】

 異色の2人だけど、大学までレスリングをやってる実力者同士。名前の並びだけだと「ええ~?」ってなるかもしれないけど、この2人がG1決勝で戦ったら「こいつらすげえ」ってなると思うよ。その上で予想するならオーカーンかな。今年に入って海野(翔太)、成田(蓮)、辻(陽太)の3選手が期待を集めてきた中で、反骨心がオーカーンを後押しすると思う。ここはオーカーンがもうひと皮もふた皮もむけるチャンス。本人も逃したくないと思うね。

(終わり)