現代格闘技が直面している「計量問題」に、格闘技イベント「RIZIN」はどう向き合うのか。榊原信行CEO(59)が私見を語った。

 減量技術の発達や階級の細分化もあり、近年改めて注目を集めているのが計量問題だ。特に6月24日には、日本のみならず世界中の格闘技イベントで計量失敗が続出した。ボクシングでは井岡一翔(志成)の挑戦を受けた前WBAスーパーフライ級王者ジョシュア・フランコ(米国)が、前日計量で2・9キロの大幅な体重超過。米総合格闘技イベント「UFCファイトナイト・ジャクソンビル」では、〝超新星〟平良達郎の対戦相手クレイドソン・ホドリゲス(ブラジル)が約1・3キロをオーバーし、試合が中止となった。

 格闘技イベント「RIZIN.43」(札幌)でも、鈴木千裕の挑戦を受けたRIZINフェザー級王者のクレベル・コイケ(ブラジル)が400グラムをオーバー。試合は鈴木が勝てば王座移動だったが、クレベルが腕十字で勝利したために規定により記録上は「ノーコンテスト」で王座は空位となった。

 世界中で論争が巻き起こっている〝計量問題〟について、榊原CEOは「選手たちと普段からしっかり話をして、平常時の体重をしっかりコントロールした上で階級を選んでもらうことでしょうね」とコミュニケーションの重要性を力説した。続けて「矢地(祐介)や堀口(恭司)のように、日々から自分の体重をしっかりと(調整)できている人もいるんですよ。でも(試合が終わると)一気に上がっちゃって『試合が決まると10何キロ落とすんです』という人もいる。その中で、無理な減量を必要としない階級に選手たちを誘導するっていうのが大切だと思います」とした。

 一方、体重超過に対して罰金など罰則の強化や、水抜きの細かいルールを設定することには「それよりも大事なのは話し合いだと思います」と否定的だ。その上で「おおらかな時代はそこらへんはなんとなく…。PRIDEの時代、桜庭(和志)は毎回階級が違う人と戦っていたけど、それはあの時代だからできていたこと。現状は階級に対してのこだわりが厳しいし、それが世界標準になっている」と指摘した。

 これを踏まえ、RIZIN独自のルール設定にも「本当は、そこを打破するような〝ファジー〟な感じに握り合えてもいいかもしれない。でも、RIZINで戦いながら他のプロモーションで戦いたい人もいるし、他のプロモーションから来る人もいるので。RIZINだけのローカルルールというのもなかなか難しいですよね」と厳しい表情を浮かべた。

 簡単には結論の出ない難題。榊原CEOは「まず選手としっかりコミュニケーションを取ることだと思います。これに関しては正解は一つではないし、もしかしたら見つからないのかもしれない。でも、われわれは選手たちと向き合って、そう言うことがないように最大限努めていくしかないと思います」。技術や理論が進化したゆえに生まれた〝ひずみ〟に、格闘技界が直面している。