体操女子で五輪2大会代表の杉原愛子(23=武庫川女子大)は〝母の言葉〟を胸に、競技会の舞台へ帰ってきた。

 昨年に一度は現役を退いた杉原だったが、リポーターとして4月のNHK杯、5月の全日本選手権に携わる中で競技への思いが再熱。「『楽しそうやな、出たいな』という気持ちになった」と明かした上で「ママ(智里氏)に『出てほしい』と言われたのが一番大きいきっかけ」と語った。 

 約1年ぶりの実戦となった全日本種目別選手権初日(10日、国立代々木競技場)の床運動では、12・966点の全体3位で11日の決勝にコマを進めた。「めっちゃ緊張があったけど、それ以上に楽しさの方が大きかった。ファンのみなさまに手拍子をもらえて、感謝の気持ちでいっぱい」と笑顔を浮かべた。

 現在はコーチ業をこなしつつ、リポーターや審判としても活動。外から競技を見つめたことで「運動の構造を考えるようになった。基礎の部分だったり、体づくりのトレーニングとか考えてやっている。これをやったらどうなるんだろうと自分でも実践できる部分がある」と基礎技術が向上。決勝進出という今大会の目標をきっちりクリアした。

 今後は全日本シニア選手権(9月)にエントリーしており、全4種目での完全復活を視野に入れている。「(コーチ業などとの)二刀流という形を現実化させていきたいという気持ちも芽生えてきた」。杉原の新たな挑戦は、まだ始まったばかりだ。