救世主となるか。巨人は17日に交換トレードでオリックスから鈴木康平投手(29)を獲得した。電撃トレードの目的は火の車状態の救援陣の強化で、原辰徳監督(64)は「リリーフの先頭に立ってやってもらえれば」と大きな期待を寄せた。その一方で、今回の外部からの緊急補強を巡っては球団内からファーム投手陣の育成力に危機感も強まっている。

 原巨人がシーズン序盤から動いた。球団はこの日、内野手の広岡大志(26)と鈴木のトレードを発表。昨季まで「K―鈴木」の登録名でプレーしていた右腕は、今季はここまで一軍での登板機会はなかった。それでも先発と救援の両方を経験し、79試合で5勝9敗、2セーブ、2ホールド。186センチ、92キロと体格にも恵まれ、原監督は「経験豊富で非常に体も大きい投手ですし、力もありますのでね。リリーフの先頭に立ってやってもらえればと思います」と期待を込めた。

 ブルペン強化はもう待ったなしだ。そもそも昨季から続く課題だったものの、今季も守護神・大勢以外の起用は流動的。この日の試合前時点で、救援防御率はチーム防御率(4・31)をも下回る4・98の惨状だった。

 球団側も手をこまねいていたわではない。今季はすでに投手7人を育成から支配下に昇格させた。ただ、球団関係者の一人は「育成から上がったとは言っても、もともと支配下だった選手ばかり。そうした選手が上がるのは既定路線。本当の意味で育てられているのか、というところには疑問が残るよね」と首をかしげていた。

 確かに、昇格したのは元支配下の〝復帰組〟がほとんど。この日のヤクルト戦(神宮)から一軍に合流したリリーフエース・中川のほか高橋、横川、田中豊、三上、堀岡の6人はそもそもは支配下選手だった。純粋な育成出身者は、育成ドラフト1位ルーキー松井だけで、右腕の起用法は「先発ができるタイプ」と指揮官が明言している。育成落ちしたメンバーを次々と支配下に戻したが、現状のファームの戦力は〝頭打ち状態〟に陥り、火事場で外部からの補強に頼らざるを得なかったとの見立てだ。

 もちろん、まだ5月中旬。育つものも育ち切る時期ではないが、今後どれだけの〝新戦力〟が芽吹くのか。引き続き、ファーム首脳陣の育成手腕が問われることになりそうだ。