東京・銀座で起きた高級時計店を狙った仮面強盗事件で9日、犯行グループが逃走に使った車の近くで店から奪った高級腕時計の一部である約30点が見つかっていたことが明らかになった。

 犯行グループは8日に高級腕時計ロレックスの専門店を明るい時間帯に堂々襲撃。バールでショーケースを叩き割って1億円相当以上の高級腕時計を強盗したが、犯行から約30分後に16~19歳の実行犯とみられる4人が捕まった。

 防犯アドバイザー・犯罪予知アナリストの京師美佳氏は「大勢に目撃されるリスクを負いながら犯行に及んだことから、おそらく“闇バイト”に応募して個人情報を握られ、指示役に脅されてやらされた実行犯でしょう。閉店1~2時間前は一番金目のものがある時間帯。そのため指示役はあえてハイリスクハイリターンの計画を実行させたのでは」と分析した。

 今回の犯行は大胆を通り越して異様だったと言わざるを得ない。犯行があった午後6時15分ごろの銀座は日没前で、多くの通行人が行き交う状態。犯行グループが店内を物色している間も映画かドラマのワンシーンと勘違いしてスマホで撮影していた人もいたほどだ。

 そんななかSNSで話題になったのが、ガラスのドア1枚を隔てて犯行グループと対峙した女性が映った動画だ。女性は何度もドアを閉めて犯行グループを店内に閉じ込めようとドアの押し合いになり、最後は逃走する犯行グループから「ぶっ殺すぞ!」と恫喝されている。この女性に対し、SNSでは「勇敢だった」と称賛する声が上がった一方で、「危険すぎる行為だ」と批判的な声も上がり、ちょっとした論争になっている。また、多くの通行人が事件に気づきながら「見て見ぬふりをしていた」と指摘する声も上がっている。

 果たして目の前で犯罪が行われているとき、われわれにできることはあるのか?

「一般人が犯人と対峙するのは危険。最優先すべきは身の安全確保で、その後、急いで警察に通報すべき。日本は銃社会じゃないので危機意識は低いが、米国なら(犯人から)反撃されて射殺される」(同)

 先月、和歌山で岸田文雄首相が爆発物で狙われた際は、犯人を取り押さえた漁師が称賛されたが、あのケースでも犯人が刃物で反撃していたら危なかったという指摘があった。今回の強盗も刃物を持っていたことがわかっており、もし逃走の邪魔と判断されればどうなっていたかはわからない。一般人が犯人と対峙するのは避けたいところだ。