【米ミズーリ州セントルイス3日(日本時間4日)発】〝怪投〟の理由は、すさまじいセントルイスの洗礼だった。エンゼルス・大谷翔平投手(28)が敵地カージナルス戦に「3番・投手兼DH」で出場。制球に苦しみ、2本塁打を許すなど5回4失点で勝ち負けはつかなかった。荒れ模様の投球だったが、自己最多タイの13奪三振。ベーブ・ルース以来の「100本塁打&500奪三振」を達成した。打者としては3安打1打点と勝利に貢献。チームは6―4の逆転勝ちを収め、3連勝で貯金を3とした。
 
 序盤から圧巻の奪三振ショーだった。初回、2回とすべてのアウトを三振で奪い、4回までに2ケタに到達。「侍対決」で注目されたヌートバーからは、3打席連続の空振り三振を奪い、貫録を見せつけた。相手の先発野手全員から三振を奪い、自己最多に並ぶ13奪三振。15個のアウトのうち残り2つは、内野ゴロと相手の盗塁死だった。大谷にとっては通過点にしか過ぎないが、メジャー通算500奪三振に到達し、ベーブ・ルース以来となる「100本塁打&500奪三振」も達成した。

 残した数字とインパクトは華やかだったが、マウンドでは苦闘の連続だった。「一番は乾燥がすごかった」。珍しく不調要因を断言した。序盤から指先を気にする仕草が目立ったのは、乾燥質な気候の影響があったからに違いない。初回、簡単に二死を奪った直後に3番・ゴーマンに先制ソロを被弾。3―1で迎えた4回には、適時二塁打と2ランを浴びて一時逆転を許した。「打たれたのが全部長打。打球を上げさせてしまったのが今日の反省点」。不慣れなセントルイスの気候に想像以上に悩まされた。「コマンドうんぬんではなく、変化のバラつきがあった。いい動きではない球をしっかりと打たれた」。

 4回に許した3長打は、いずれも得意球の「スイーパー」。開幕から好調を支える大きく曲がる〝魔球〟だが、この日は意図した変化をつけられず、苦戦する右腕をあざ笑うかのように相手打線はその得意球を狙い打ちにした。

 試合後「6回、7回までいきたかった。そこは悔しい」と率直な思いを吐露。5回まで97球を要して、投げ合った相手先発で元巨人のマイコラスよりも先にマウンドを譲った。それでも「(乾燥に苦しめられたが)その割にはよく投げられた方かなと思う」と振り返ったように、辛抱の投球が最終回の逆転につながり勝利を生んだ。

 責任投球回ぎりぎりの5イニングを4失点、被安打5は今季ワーストながらも自己最多奪三振という〝怪投〟。音を上げるほどのセントルイスの洗礼を浴びながら、大崩れしなかったところが大谷のすごみだった。