女子プロレス「スターダム」の中野たむが、23日の横浜アリーナ大会で王者ジュリアを破り、ワールド王座を初戴冠した。2017年11月にスターダムに入団してから、5年5か月で団体最高峰王座にたどり着いた。

 中野は3歳のころからバレエを習い、ミュージカル女優としてキャリアをスタート。約2年後には所属事務所の勧めでアイドルに転向した。

 だが、芽が出ることなく、3年で卒業。思い悩んでいたころで出合ったのがプロレスだった。2016年にアクトレスガールズを観戦し、そこで影響を受けたのが、万喜なつみ(現なつぽい)と安納サオリのシングルだったと後に語っている。くしくも2人は現在、中野率いる「コズミック・エンジェルズ」に所属。これも何かのドラマだろう。

 アクトレスガールズに入門し16年7月からプロレスラーとして道を歩み出したが、イバラの道は続いた。デビュー1年でフリーに転向。邪道・大仁田厚のもとで電流爆破マッチのリングにも立った。

 これがその後に賛否を生む結果になった。17年11月のスターダム入団後は「大仁田なんかと試合をするな」「スターダムから出ていけ」といった辛辣な声もあったと本人はこれまでに述懐している。

 だが、19年6月に岩谷麻優、鹿島沙希と2度目のアーティスト王座を戴冠したことが転機に。「初めてプロレスを楽しいと思えた」と、ここからトップ戦線に食い込むようになった。

 18年4月にスターダムにリングに初の電流爆破を持ち込み、紫雷イオ(現WWEのイヨ・スカイ)を引き込んだ。21年3月にはジュリアとの「敗者髪切りマッチ」を制し、ワンダー王座を初戴冠。

 同年7月には白川未奈、ウナギ・サヤカとのトリオで、アーティスト王座の最多連続防衛記録「V7」を樹立するなど結果を残し続けたが、唯一手が届かなかったのが昨年7月の名古屋大会で当時の王者・朱里に挑戦して敗れたワールド王座だった。

 ついに頂点をつかんだ中野が、スターダムの景色を一変させる。