米NBCスポーツボストン(電子版)は18日(日本時間19日)、レッドソックス番記者歴20年以上のジョン・トマシ氏による「レッドソックスファンはジョン・ヘンリーに大谷翔平と契約する3万6000の理由を与えた」とのタイトルのコラムを掲載した。ジョン・ヘンリー氏とはレッドソックスのオーナーのことで、ここまで9勝9敗の勝率5割ながら今季もア・リーグ東地区の最下位と出遅れている地元球団のチーム編成に対するスタンスを嫌みたっぷりに批判した。

 エンゼルスの大谷翔平投手(28)は17日までボストンでレッドソックスとの4連戦に臨み、17日の第4戦には投打二刀流で出場。悪天候により試合開始が56分遅れたうえ、3回途中に1時間25分の中断があったため、打者でフル出場して2安打したものの、投手では2回を投げただけで降板した。

 そもそも同日はボストン・マラソンの影響で、試合開始予定は現地時間の午前11時10分だった。加えて試合前から雨が降り続けていたにもかかわらず、3万4942人の観衆が詰めかけ、1時間以上の中断後も帰ろうとしなかった点にトマシ氏は着目。2週前のパイレーツ戦は3戦目に2万4477人と〝コロナ以外〟では過去20年で最低だったことを引き合いに、エンゼルス4連戦が平均3万5889人だったのは「大谷翔平のおかげだった」とした。

 トマシ氏は「大谷はプロスポーツ界で最も特異な存在である。より遠くにボールを飛ばし、より強くボールを投げ、より速くホームから一塁に行く。研究室で彼を作ることはできない」と二刀流右腕を表したうえで「ある選手が5日ごとに(OBで通算219勝の)ペドロ・マルティネスになり、残りの4日は(通算541本塁打の)デビッド・オルティスになると想像してみてほしい。大谷は球団史上最大の集客を誇るだろう」と戦力としてだけではない大谷の魅力と、その波及効果を訴えた。

 今オフにFAとなる大谷を巡る争奪戦は6億ドル(約805億円)規模になるとみられている。トマシ氏は球団関係者が「最近、支出について話すことが多い」ことから「レッドソックスは巨大な分析部門を構築しており、少なくともそれ(大谷の長所)と同数の断る理由を考え出すだろう。肘がもたないとか、パワーヒッターとパワーピッチャーの前代未聞のコンボは賞味期限が限られているとか」と指摘。「彼らは想像力が全く欠如しており、悔しいことに小さく考えることに集中している」と、どこまでも手厳しい。なお同氏はメッツ、パドレス、ドジャース、ヤンキースが大谷獲得に乗り出すと予想している。

 大谷の関心事がプレーオフ進出にあることは今や誰もが知るところ。トマシ氏は「レッドソックスはア・リーグ東地区の球団を(最下位から)見上げていて、その機会を提供していない。大谷はプレーオフ進出を逃すことにうんざりしている。(獲得を目指す球団は)ワールドシリーズを争う準備ができている必要がある」とも付け加えた。