【２０２３ペナント大予想：大下剛史氏】今年のセ・リーグにずぬけたチームは見当たらない。となれば、投手出身でマネジメント力のある高津監督率いるヤクルトが、Ｖ争いの中心になると見る。チームとしても投打、走攻守のバランスが取れていて、リーグ２連覇中と選手の経験値も高い。競馬で言うところの〝連を外す〟ことはないだろう。

　気になるのは、やはり古巣の広島だ。新井監督は駒大の後輩でもあり、今年はハラハラ、ドキドキさせられる１年になるだろう。順位は期待込みの３位としたが、その上に行っても不思議ではない。新井監督の強みの一つは誰からも好かれる人間性で、プロといえど団体競技においてチームが一丸となって戦うことは重要な要素だ。へこたれない精神力の強さを発揮して、ぜひ頂点を狙ってもらいたい。

　最終的には、混戦が予想されるからこそ優勝を巨人とした。昨季は屈辱的な４位に沈み、期するところもあるだろう。４コーナーまで団子状態で進み、百戦錬磨の原監督がゴール前で差すと予想した。

　どこが勝つにせよ、楽な戦いにはならないはずだ。ＷＢＣで目の肥えたファンにも喜んでもらえるようなペナントレースになることを期待している。