日系選手初の侍ジャパン入りしたラーズ・ヌートバー外野手(25=カージナルス)が侍ナインだけでなく、ファンの心もガッチリとつかみ取ってしまった。WBCの1次ラウンド第2戦となった韓国戦(10日、東京ドーム)に「1番・中堅」で先発出場すると、攻守で躍動し、13―4と日本代表の勝利に大貢献した。

 東京ドームがヌートバー劇場と化した。3回に3点を先制されて重苦しい空気が漂う中、その直後の攻撃で反撃ののろしとなる適時打を放ち、悪い流れを変える。さらに守備でも1点リードした5回一死一塁で中前に落ちそうな打球に猛チャージ。華麗なダイビングで、2試合連続となるスーパーキャッチを披露した。ベンチの大谷翔平(エンゼルス)も驚きのあまり頭を抱えるほどで気迫あふれるプレーで、力強くチームをけん引した。

 4打数2安打1打点2得点、守備でも美技で文句なしのお立ち台だ。「最高の気分です。日本代表メンバーの一員となれて本当に光栄に思いますし、勝てて良かった」と話すと、日本語で「ニッポン、ダイスキ、ミンナアリガトー!」とコブシを突き上げながら絶叫し、大観衆から大きな声援が沸き起こった。

 さらにその後「何よりファンの皆さんの歓声でエネルギーをもらって、後押ししてもらいました。清水コーチのポジショニング(の指示)が素晴らしいので、ほぼ清水コーチのおかげと言っても過言ではない。投手も全員頑張っているので、自分の近くにある打球は全て捕ってやろう、投手を助けてあげようという思いでいる」と大暴れした試合を振り返った。

死球を投じたキム・ユンシク(手前)をニラみつけるヌートバー
死球を投じたキム・ユンシク(手前)をニラみつけるヌートバー

 6回の無死一、三塁の好機では、背中に死球を受けるとバットを放り投げ、マウンド上の5番手左腕、キム・ユンシクをにらみつけて怒りをあらわにする一幕も。しかし、ヒーローインタビューでは「ちょうど、凝っていたところにぶつかって、ちょっとほぐれたのでちょうどよかった」と冗談で返して笑いを誘った。

 もっか侍ナインはもちろん、日本中でペッパーミルのパフォーマンスが広まっており「チームメートもファンの皆さんも受け入れてくれて、すごくうれしい。一体感のあるセレブレーションになっているので、続けていきたい」と笑顔で語った。

 SNS上では早くも「ヌートバー神」「たっちゃん神様」などの投稿もあり、日本中でヌートバーが旋風が巻き起こっている。