日本ハム・伊藤大海投手(25)が3月に行われるWBCでの大車輪に向け「ダル直伝投法」の習得に励んでいる。

 チームから唯一日本代表に選出された右腕は2日に名護キャンプで初のブルペン入り。新庄監督ら首脳陣が見守る中、捕手・伏見を相手にWBC使用球で41球を投げ込み「感覚としては良かった。今年のテーマとしてキャッチボールの延長のような感覚で投げると言うのがあるので。そこはクリアかなと思います」と笑みを浮かべた。

 目前に迫ったWBCでは侍ジャパン・栗山監督から試合途中での〝火消し役〟を託される予定。東京五輪で見せた「追いロジン」など、どんな窮地の場面でも動じない精神面の強さが持ち味だけに重責への不安はない。ただ、1球の失投が致命傷となるのが一発勝負の国際大会。そこであらゆる場面での火消し役の成功に備え現在取り組んでいるのが、ダルビッシュ有投手(36=パドレス)から直伝されたパワーカーブと球種と場面によって使い分け可能な「腕の振り」の習得だ。

 伊藤は年明けにダルビッシュの呼びかけに応じ米サンディエゴで合同自主トレ。その際、ダルビッシュからパワーカーブの操り方や変幻自在な腕の振りに関する助言をもらったという。パワーカーブはダルビッシュの代名詞とも言える球種の一つ。相手のタイミングを外したり三振を奪うことができる効果的な変化球だ。そこに変幻自在の腕の振りが加われば強力外国人打者を封じ込める可能性はさらに高まる。

「ダルビッシュさんにいろいろとお聞きして強いカーブを練習している。まずはその精度を高めたい。(腕の振りは)映像で見たらそんなに変わんないぐらいですが、自分の中で3段階ぐらい。今まではアングルが全部一緒なのが正しいと思っていたんですけど、それが何か所でもできるんだったらできるにこしたことはない。ダルビッシュさんがすべて正解というわけではないですが(自分と)似ていたので。それはそれでありなんだなと確信にはなりましたね」

 WBCまでにレジェンドの武器をものにすれば日本代表にとって心強いことは間違いない。2週間後の代表合宿について、伊藤は「豪華メンバーに入っていくのは緊張もするんですけど、いろんなことを身近に感じられる貴重な場面だと思うので。いろいろな人といろんなコミュニケーションを取っていきたい」。レジェンドを含めた豪華メンバーとの共闘を早くも心待ちにしている。