12球団で唯一キャンプインしていない西武は、本拠地ベルーナドームに隣接する球団施設で自主トレを行っている。松井稼頭央監督(47)は6日のキャンプインに向け、1日に「キャンプは短い期間でも、内容が濃くなるのかなと思っている」と語った。

 他の11球団より1クール遅れとなる新政権船出だが、今季のコンセプトははっきりしている。チームスローガン「走魂」を掲げ、リーグ最下位のチーム打率、主軸・森友哉の抜けた穴を足でカバー。攻撃では常にひとつ先の塁を狙い、いかに1点を奪うか、守備では必死にボールを追い、いかに1点を与えないかの意識をチーム全体で追及していくというものだ。

 主砲・清原が巨人へFA移籍した翌1997年にシーズン62盗塁でブレーク。チームとしてシーズン200盗塁を達成しV奪回、新時代の象徴となった松井監督だが、やみくもに走っていたわけではない。

 当時の東尾監督から前年の秋季キャンプ中に「稼頭央と大友で100盗塁してくれ」というノルマを課され、通常の走塁練習以外に宿舎では高木大、奈良原らと走塁コーチに呼ばれ、ライバルチームの投手研究に明け暮れた知られざる時間の積み重ねがあった。

 選手だけで、一塁ベース側からの投手映像を何度も見てはそのクセを洗い出し、頭に叩き込んだ。右投手のユニホームの背中のしわの線が1本ならホーム、上体をひねり2本見えたらけん制…。またはセットポジションの足の幅の変化、プレートを踏む軸足かかとの動きのクセなどをそれぞれが意見を出し合いながら確認。そこまで研究と準備をした上で、いかに思い切ったスタートを切れるかが盗塁に関しては一番の肝となってくる。

 もちろん、足に活路を見いだす今季も走塁技術以上にここが最重要ポイント。A班に抜擢された中では若林、源田、外崎、山野辺、蛭間、児玉らが動作解析班とともにこの研究に明け暮れることになりそうだ。