3年ぶりのV奪還を目指す原巨人が万全の危機管理だ。3月の第5回WBC日本代表に守護神・大勢投手(23)が選出。プロ2年目でつかんだ夢舞台に本人が「万全の準備をして臨みます」とやる気を見せる中、球団は異次元の活躍を見せた新人王右腕の〝万が一〟に備え、しっかりと手を打っていた。

 侍ジャパンの栗山監督が26日に代表18選手を発表し、全30選手が出そろった。昨年中に直接、栗山監督から伝えられていたという大勢は、27日はジャイアンツ球場で自主トレを行うと「WBCに関しては、自分自身もクローザーをやりたいとか、そういうこだわりがない。求められたところで(力を)出す準備をしっかりしたい」と〝何でも屋〟に立候補した。

 昨季57試合で新人最多タイの37セーブを挙げたセ新人王は、初のオフは関西国際大時代から通う個人トレーナーの元で汗を流してきた。「WBCがちょっと早いので、それに向けてしっかり体を動かしておこうというか、そこに100%のパフォーマンスができるようにやっていた」と充実の自主トレを振り返った。

 その一方で球界には「2年目のジンクス」という言葉もある。球団内からも「大勢はプロで1年間シーズンを過ごしたのも初めてだし、オフも初めて。2年目も守護神として活躍してもらわないと困るけど、蓄積された疲労がどう出るか分からない。加えてWBCで早めの調整になったことが果たしてどう影響するか…」(球団スタッフ)と心配する声も上がっていた。

 守護神への信頼は揺るがないものの、球団は組織としてリスクヘッジを行ってきた。それが最速160キロ右腕のヨアン・ロペス投手(30=前メッツ)の獲得だったという。前出のスタッフは「編成サイドには『大勢の代わりができる選手』という要望が出ていたようです。それでロペスに白羽の矢が立ったと聞いてます」と説明した。

 メジャー121試合登板・28ホールドのキューバ出身右腕は先日、最終候補に残っていたWBCキューバ代表を辞退。巨人での新天地1年目に全力で臨む構えを見せている。

 また、今月16日には大勢と同じ変則右腕で通算346試合登板・114ホールドの前DeNA・三上朋也投手(33)を育成で獲得。これも「いざという時の備えだそうです。シーズンを勝ち抜くうえで変則投手は多い方がいいですから」(同)と危機管理策の一端だという。

 もちろん理想は大勢がWBCで世界一に貢献し、その勢いでシーズンでも守護神をまっとうすること。その場合はロペスにチームの課題だった8回を任せ、より盤石な勝ち継投を構築できる。果たして新助っ人は球団の期待する〝大勢級〟の活躍を見せられるか。