気がつけば世の中はニオイを出さないのがエチケットとされる消臭社会になっている。中高年男性は「加齢臭を発していないか?」なんて心配が必要になった。そこで今回はさまざまな消臭グッズの中から体のニオイを防ぐ消臭インナーについて専門家に最新情報を聞く。 

着ると30秒で消臭
着ると30秒で消臭

【暖房で蒸れる冬こそ】

 10年ほど前は現在のように種々の消臭グッズは登場していなかったものだ。

「私どもが消臭インナーを発売したのが2010年ですが、その頃は抗菌をうたったインナーが出ていただけで消臭製品はまだ登場していませんでした。2015年ごろにスメハラという言葉が聞かれるようになって、その前後から制汗剤市場が伸びるなど体臭ケアへの関心が高まったようです」

 こう話すのは、消臭インナーのパイオニアとされる繊維メーカーのセーレン住生活資材・メディカル販売部の森近浩靖部長だ。

 同社は「デオエスト」という消臭インナー製品を手がけている。シャツ、タイツ、ボクサーブリーフ、靴下など毎日着るインナーに消臭機能を持たせた製品だ。繊維の表面の細かいセラミックス粒子がニオイを吸着し、金属イオンが分解する。体から発するニオイをたった30秒で消臭することができる。

 消臭インナーは夏場だけでなく冬にも注文が多いと森近部長は言う。

「都心で働くビジネスマンは冬場の暖房されているビルでは体が蒸れる人も多いのです。特に吸湿発熱の商品は、水分を吸収し発熱するので、暖房の効いた環境では暑くなりすぎたりします。満員の通勤電車の中では汗をかく上に他の人と体が近づくのでニオイに気を使うお客様に冬場も利用いただいております」

 消臭グッズではスプレーやタオルで拭き取るタイプも利用されているが、肌に合わずにかぶれたり消臭効果が短時間で消えてしまうなどの弱点もある。これに対し同社の消臭インナーは肌にやさしく一日中着用しても消臭効果は落ちない。

【開発秘話】

 同社が消臭インナーを開発したきっかけが興味深い。腸内細菌の研究者である大毛宏喜・広島大学病院教授から「腸内ガス由来のオナラで悩む患者さんのためにニオイが消せる下着はできないか」と依頼されたのだ。同教授の監修のもと、開発に2年を費やし高性能な消臭機能を持つ製品を完成、2010年に「デオエスト」を発売した。

 最近では消臭インナーを手掛ける繊維メーカーも登場し、ユニクロ、グンゼ、ゴールドウインなどからも発売されている。競合製品と比較し、「30秒という消臭スピードの速さと、消臭できるニオイの種類が多いのが当社製品の特色です」(森近氏)と胸を張る。アンモニア、酢酸やノネナールなどのニオイ物質に効果があり、どんな場面でもデオドラント効果が期待できる。ちなみに価格はシンプルなアンダーシャツで3124円だ。

 他にも、消臭ビジネスソックス(1568円~)も人気。男性ビジネスマンは一日中革靴を履いて蒸れた足で宴会の座敷に座るのは抵抗感があるもの。そんな時にオススメしたい。