【泌尿器科医・高橋亮 シモの話】性病の話をしてきましたが、現役医師として早めにお伝えしておきたく、今回は新型コロナウイルスワクチンのお話を。「え、コロナは泌尿器科とは関係ないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はワクチンについてはちょっと関係があります。
ちまたではコロナのワクチン接種が始まり、私のクリニックのある文京区でも、患者さんが個々の医療機関を選んで接種を受ける個別接種が開始になりました。私が普段診察している高齢者の患者さんの中にも「ワクチンを受けた」もしくは「ワクチンの予約を取った」という方が増えてきました。ところが、ここでちょっと困った問題が発生するようになりました。
これはあまり知られていないことなのですが、実はワクチン接種を受けてから1~4週間は全身麻酔を伴う手術を受けることができないのです。今すぐにやらなければ命に関わるようないわゆる緊急手術は受けられますが、がんの手術などは間隔を空けてから行う必要があります。そうすると、普段の診察でがんの疑いが発見された場合に、すぐには手術の予定を組むことができないという事態が発生します。
例えば2週間の間隔を空ける場合でも、コロナワクチンの接種は3週間で2回接種が一般的ですので、合計5週間は手術が受けられないことになります。私も普段、膀胱がんや前立腺がんを診ることがありますが、その患者さんのワクチン接種予定を気にしながら診療をする…という状況がしばしば見受けられるようになりました。
がんの手術が1か月以上できないというのは、待たされる患者さんにとっては大変な心理的負担だと思います。よって、近々がん検診を予定している方や、胃カメラや膀胱などの内視鏡検査を受ける予定の方は、早めに1回目のワクチン接種を受けてしまうか、検査結果が出てから1回目のワクチン接種となるスケジュールにするなど(手術が必要になった場合にワクチン接種が延期できるように)、少し気にされたほうがいいかもしれません。ただし、手術の待機期間は病院によって異なる場合があります。まずは主治医へご相談を。
☆たかはし・りょう 神奈川県出身。2003年日本医科大学卒業。日本泌尿器科学会指導医・専門医。日本医科大学付属病院嘱託医。ED、早漏、AGAなどをはじめ、前立腺がんなど泌尿器科にまつわる疾患全般を扱う動坂下泌尿器科クリニック(東京・文京区)院長。












