世界最大のプロレス団体「WWE」の会長兼最高経営責任者(CEO)だったビンス・マクマホン氏(77)が、取締役としてWWE復帰を果たした。米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」など複数の海外メディアが報じた。

 WSJ紙によると、昨年7月に会長兼CEOの座を退きWWEを引退したビンス氏は12月に、自身と元取締役2人の取締役会復帰を要求したという。取締役会は以前、ビンス氏復職の動きを、はねつけたことがあるが、同氏はWWEの大株主でもあることから、3人の取締役を解任。ビンス氏ら3人が新たに取締役として選任された。

 WWEは声明でこれを認めており、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類にも記載されているという。WSJ紙は、ビンス氏の狙いは「WWE売却」で、関係者の話として同氏が「メディアの状況は急速に進化しており、より多くの企業がストリーミング・プラットホームで使用する知的財産を所有したいと考え、WWEを魅力的な買収対象としている」とみていると報じた。さらに、2大ブランドの「ロウ」「スマックダウン」のメディア権の売却も、ビンス氏が認めない限り、契約を進められないことになったという。

 ビンス氏は昨年6月に、不倫関係にあった元従業員に巨額の〝口止め料〟を支払ったとされる問題をWWEの取締役会が調査中とWSJ紙に報じられ、翌月に会長とCEOの座から離れることを表明した。会長兼CEOはビンス氏の娘ステファニー・マクマホン氏とニック・カーン氏が引き継ぎ、ステファニー氏の夫で〝ザ・ゲーム〟ことトリプルHがCCO(最高コンテンツ責任者)としてWWEのリングを統括している。

 そうした中、米ニュースサイト「TMZスポーツ」が「ビンス・マクマホンがWWEを離れていた期間は、6か月未満であった…」と伝えたように、わずか半年足らずでWWEに復帰。一方で「WWEの株価は、このニュースを受けて、木曜日(5日)の拡大取引で10%以上上昇した」(WSJ紙)とビンス氏の絶大な影響力は維持されたまま。それだけに、同氏の復帰はWWEだけではなく、世界のプロレス界に大きな波紋を呼びそうだ。