【赤坂英一 赤ペン!!】大物FA選手が市場に出そろった今オフ、巨人が獲得した戦力はゼロ。資金力とブランド力にものをいわせた大型補強路線も、そろそろ終わりではないかとも言われる。
来年、そんな“時代は変わった”感を原監督が覆すには、優勝するしかない。とくに、広島から復帰させた長野、ソフトバンクを戦力外となっていた松田、現役ドラフトで楽天から拾ったオコエをどれだけ生かせるか。かつての名将・野村克也さんばりに、巨人で“原再生工場”を実現できるかどうかが問われる。
今や名監督との評価が定着した原監督だが、常に「大型補強ありき」の注釈がつきまとってきた。実際、過去の優勝は、丸、村田、小笠原、杉内らのFA選手、ラミレス、李承燁、クルーンなど大物外国人の補強に負うところが大きい。
その一方で、原監督は他球団の戦力外選手を獲って再生することにも熱心。中島(元オリックス)をはじめ、古城(元日本ハム)、石井義(元西武)、吉川大や堂上剛(元中日)の地味ながら渋い働きは忘れがたい。
そんな埋もれた人材の活用術は、言うまでもなく“野村再生工場”の影響を受けたものだ。とくにヤクルトを優勝に導いた1997年、元ダイエーの田畑を主戦投手、元広島の小早川を主砲として復活させた手腕に感銘を受けたと、当時の原氏に聞いた。
そのころ、原氏はNHK「サンデースポーツ」のキャスター。野村監督が出演すると、放送終了後もしばらく引き留め、知将の語る野球談義に熱心に耳を傾けていた。
「野村さんが言われるには、ID(データ重視)野球とはいっても、あれもこれもと詰め込んではダメなんだよ。選手に何を伝えるのか、こっちで言葉と情報をきちんと選んでおかないと」
2001年、野村監督が夫人の不祥事で阪神監督を辞任に追い込まれると、原監督は「野村さんは野球界に絶対に必要な方です」「いつか帰ってきてください」と手紙を書いた。その後、ノムさんからは達筆の返事が届いたそうだ。
野村監督なら、長野、松田、オコエをどう使うだろうか。ちなみに、97年の開幕戦ではヤクルト・小早川が巨人・斎藤を3打席連続本塁打でKO。この時は、「斎藤のカウント3―1からのカーブを狙えばええ」という野村監督の指摘が効いたと、のちに小早川氏が明かしている。
来季、原監督も自分の“再生工場”を作れるか、期待したい。












