未確認生物を「UMA」と名付けた動物研究家で作家の實吉達郎氏(93)とオカルト評論家・山口敏太郎氏(56)が、ヒバゴンが消息を絶ってから40年という節目を記念して、対談を行った。UMA研究界の巨人同士がUMAを語り尽くした。

 山口 1982年の広島県での目撃を最後にヒバゴンが行方を絶ちました。その時は白髪交じりだったそうです。そこから40年もたっているので、もう死んでいるかもしれませんね。

 實吉 早いもんだねー。1974年に広島県の比婆山でヒバゴンの写真が撮られ、それを頼りにヒバゴンを捜索したけど、姿を現してくれませんでした。

 山口 ヒバゴンの正体には諸説ありますよね。

 實吉 ヒバゴンは目測で150センチぐらいあるので、ニホンザル説は消えます。巡業中のサーカス団から逃げ出したゴリラなど類人猿説もありましたが、ゴリラなら簡単に見つかるので、それはないでしょう。戦争中、中国に雇われた日本人の売国奴スパイが山に隠れたという説が現実的だと思いますな。

 山口 僕は逃げた類人猿説を推したいです。戦時下、動物園の飼育係の人がチンパンジーの殺処分を命じられ、かわいそうだから、山に逃がしたら野生化したという説が僕にはしっくりきます。それにしても、1970年代はヒバゴン、ツチノコ、イッシー、クッシー、剣山の大蛇などUMAが大ブームになりましたよね。今はそいつらのウワサを全く聞かなくなりましたね。

 實吉 聞かなくなりましたね。当時は常識外の大きなバケモノUMAを見た、捕まえた、飼ってたと言う人が続出したんですけど。

 山口 実はちょっと前、池田湖にイッシーの取材をしたんですよ。地元の人に「イッシーってまだいますか?」と聞いたら、「もう大きいウナギを無理やりイッシーと言うのはやめたんだ」と言ってました。

 實吉 なるほど。オオウナギはすごいですからね。2メートルほどあって、池から池へと、はって移動するんです。その間、しばらく地上でも生きている。こんなのを見たら、「大蛇が出た」とか、「怪物だ」と思ってしまうね。

 山口 先ほど、UMAのウワサを聞かなくなったという話をしましたが、実は細かい話はちょくちょく出ているんですよ。例えば、ヒバゴンの小さいヤツが出たとか、伊香保温泉のはずれでニホンザルみたいな外見なのに完全に直立二足歩行する獣人が暴れまくったとか。東スポでも取り上げましたが、兵庫県にムッシーが出たとか。

 實吉 昭和の巨大UMAは寿命が尽きて滅びたが、全く別のUMAが出てきているんだね。

 山口 しかも、平成以降のUMAはどうも人工的なんですよ。名古屋に奇妙なヤギが現れて、捕獲されたんです。勝手にミステリーゴートと名付けました。DNAが調べられていて、ヨーロッパのヤギとリュウキュウヤギという2種類のDNAが出た。ハイブリッドなんです。

 實吉 それは面白い。自然下でヨーロッパのヤギと沖縄のヤギが繁殖するわけがないから、誰かが交雑させて、捨てたのかな。それでも理由が分からない。

 山口 結構、キメラ生物が出てきているんです。コンゴ民主共和国にライオンイーターというUMAが出たんです。糞をDNA鑑定した結果、ゴリラとチンパンジーのハイブリッドだったんです。ゴリラのパワーとチンパンジーの知能を併せ持ち、追い込み猟でライオンを落とし穴に落として、食べてしまうほど強い。通常、トラとライオンをかけ合わせたライガーやタイポンなどの混合種は生殖能力がないものですが、ライオンイーターは生殖能力があり、増え続けているんです。

 實吉 すごいなー。地球環境がどんどん悪化して、自然動物に親切じゃなくなっている。そんな中、生き延びるために交雑し、進化しようとしているのかもしれないね。

 山口 最後に實吉先生、UMAの名付け親として、これからのUMA界はどうなっていくんでしょうか。

 實吉 これからというより、UMAの名付け親としては、当時から今もUMAという単語が世間にあまり浸透していないのが心残りです。ユーマと読むのが正解に、間違ってウーマと読む人もいますから。若いUMA研究家が出てきて、ますます発展させてください。