西武の平井克典投手(30)が来季取得予定の国内FA権行使に猶予を持たせた。

 平井は30日、ベルーナドームに隣接する球団事務所で来季の契約更改交渉を行い、今季年俸6800万円から1200万円増の年俸8000万円(いずれも推定)でサインした。

 今季は先発13試合、中継ぎ17試合の計30試合に登板し6勝8敗、防御率2・89の成績をマークした平井は「去年失った分を取り返した感じ。監督、コーチから求められたところで仕事ができたかなと納得する一方で、まだまだできたんじゃないかなと思うところもある」と今季を総括した。

 その上で「新しい監督からやってくれ、といわれたところでやりたいと思う。オフは(先発と中継ぎ)どちらもできるように準備していきたい」と7年目の来季にかける思いを語った。

 その平井は順調に行けば来季中に国内FA権を取得する見込みで、この日は球団から複数年契約の提示もあった。

 しかし、平井はその提案をやんわりと断り「まだ(FAを)取れてもいないですし、自分に甘えを持ってプレーしたくない。まだ何も考えていないし、1年1年勝負したい」として単年契約を結んだ。

 今来オフのFA案件であった源田、外崎のGグラブ二遊間を複数年契約で引き留め、森友哉のオリックス移籍を見送った西武としては一難去ってまた一難のFA案件だが、これはどこまで行っても選手側に選択権のある権利だ。

 渡辺久信GM(57)は「こちらとしては複数年という話をした。もちろん、(球団としては)残ってほしいからこそ今年、複数年と言っているんだけど、人それぞれやり方がある」と一定の理解を示しながら、今後も全力で慰留に努める構えを示した。

 当然、キャリアハイを目指す平井がどのようなシーズンを送って、来年の今ごろ、どんな決断を下すのか見守るしかない。