新たなIWGPの歴史が幕開けだ。新日本プロレスとスターダムの合同興行「Historic X―оver」(20日、東京・有明アリーナ)で行われた「IWGP女子初代王座決定トーナメント」決勝戦は、元WWEのKAIRI(34)が岩谷麻優(29)を撃破し初代王者に輝いた。新設王座に命を吹き込んだ海賊姫は、プロレス・格闘技の〝聖地〟、米ニューヨークのマジソンスクエア・ガーデン(MS・G)進出を熱望した。
初代王座を争う一戦は壮絶な死闘となった。岩谷の二段式ドラゴンスープレックスを浴びたKAIRIだったが、ロープブレークで九死に一生を得る。強烈な裏拳からのダイビングエルボーで逆転勝利を収めた。試合後は中野たむから挑戦表明を受け、来年1月4日の新日本・東京ドーム大会でのV1戦が決定した。
史上初の新日本とスターダムの合同興行は7102人(主催者発表)を動員し大盛況で幕を閉じた。両団体の木谷高明オーナーは「大成功じゃないですかね。今後? 全くない可能性もあるし、1年に一度、2年に一度の可能性もある。個人的には2年に一度かなと思ってますけど、評判や数字を見て冷静に判断したい」と大会を総括した。
新日本の試合を押しのけてメインを張ったのは、7月に新設が発表された時は賛否両論が起こったIWGP女子王座戦だった。だからこそ木谷氏は「今日のを見て、何か言う人はいないでしょう。ゆくゆくはMS・Gでもタイトルマッチをやっている風景が目に浮かびました」と語る。
現段階ではスターダムと新日本、他団体や海外を含め年間4~6回の王座戦が見込まれている。新日本は2019年4月にMS・G大会を開催しIWGPヘビー級王座戦(王者ジェイ・ホワイト vs オカダ・カズチカ)がメインに据えられた。20年8月に予定された大会はコロナ禍で中止となったが、将来的にはIWGP女子王座戦が同会場で行われる可能性はある。
KAIRIにとってもMS・Gは憧れの会場だ。「最高! やりたいです。ニューヨークで試合したことは何度もあるんですけど、MS・Gはないんです。プロレスの聖地というか、WWFのころからMS・Gをみんな目指していたと聞くので。夢は大きくいきたいですね」と目を輝かせた。
WWEで17年から21年末まで活躍したが、かなえられていない夢は他にもある。「WWEで心残りだったのは、やっぱりアスカ姉さんとイオさん(イヨ・スカイ)の2人ともシングルマッチをしたことがないんですよ。だから戦ってはみたいですけどね」。また、サーシャ・バンクスもSNSでIWGP女子王座に興味を示す投稿をしており、WWE勢との防衛ロードも決して夢ではない。
くしくも来年1月1日のノア日本武道館大会に中邑真輔が参戦。WWEのメインロースターが他団体で試合をするという、以前では考えられなかったことが起きている。
KAIRIは「多様性の時代になってるじゃないですか、世界中が。なので、どんな変化がこれからプロレス界に起こるのか楽しみです。このベルトがいろいろな可能性をもたらしてくれると確信してます」。
日本が世界に誇る「IWGP」のブランドを高め続け、これからも自身の夢を追い求める。











