【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】とにかく明るい。2008年以来15年ぶりに虎の指揮官となった岡田彰布監督(64)。就任会見から高知・安芸での秋季キャンプと連日、多忙な日々を過ごしながらボスとして存在感を示している。
04年から08年までの前岡田政権を知る関係者は「(11月25日で)65歳になるとは思えない。再びユニホームを着て若返った。雰囲気も丸くなった」と新指揮官の変化を口にする。
番記者への対応、各メディアへの個別の取材もできる限り受け入れている模様。恒例となっている練習後の虎番キャップ陣との囲み取材では、ユーモアを交え和やかな空気を醸し出している。
ただ、これは序章の序章。前政権より以前から岡田監督を知る関係者は「2月のキャンプが始まって、10日過ぎから練習試合が始まるでしょ。そのころまででしょうね、今のモードが続くのは」と予言する。
キャンプ中の練習試合とはいえ、勝てばいいわけではない。シーズン本番での致命的ミスにつながりかねないプレーが出ると、一気に〝鬼の岡田モード〟がオンになるという。
開幕後となればリミッターはなくなる。以前、岡田監督から「気を使って遠回しに質問せんでええんよ」と言われたことがあった。それを真に受け、敗戦後にストレートな質問を投げかけた時には「なんでお前にそんなん言われなアカンのよ」とブチギレられた記憶がある。
取材陣とは一定の距離があるとはいえ、身内となれば事情は変わってくる。ペナントレースの勝負どころで痛い負けを喫すれば、チーム内にピリピリムードが漂わないわけがない。
まして15年前のメンバーとは違い年齢差も相当なもの。高卒ルーキーで入団する選手たちとは孫ほど年が違う中で、昭和の香り漂うボスがどう振る舞うのか。それ次第でチームの雰囲気は大きく変わってくるに違いない。
いくら年齢を重ね丸くなったとしても、このまま〝仏の岡田モード〟が永遠に続く可能性は低い。長いシーズンには必ず浮き沈みがある。ただ、幾多の波を乗り越え、最後に笑顔で「アレ」を達成できれば全員が浮かばれる。
05年リーグ優勝時の虎番記者として「アレ原稿」の書き方を思い出させてもらいたいところだ。
☆ようじ・ひでき 1973年生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、ヤクルト、西武、近鉄、阪神、オリックスと番記者を歴任。2013年からフリー。著書は「阪神タイガースのすべらない話」(フォレスト出版)。21年4月にユーチューブ「楊枝秀基のYO―チャンネル!」を開設。












