プーチン大統領の〝精神的顧問〟と言われるロシア正教会のティホン司教が先日、ロシア国営テレビ「ロシア1」で「私たちは平和を必要としています」と〝異例〟の発言をしたことを複数の海外メディアが報じた。

 プーチン氏と親密であるティホン司教は戦争を「前例のない悲劇」として、ウクライナへの侵略を終わらせるよう訴えた。また、ウクライナ人とロシア人を「兄弟」と表現し、両国が平和を見つけることが「必要」であると宣言した。これまで徹底的に攻め立てることを是としたプーチン氏の意に反する発言をすることは極めて異例だ。

「私たちが前例のない悲劇を経験していることは間違いありません。これは、私たちの人々、私たちの国、そしてウクライナの人生における運命的な段階です。どうやって終わるのか? もちろん、平和に無事に終わることを祈ります。今、誰もが平和を求めています。兄弟間の憎しみを解決するために、神の意志による平和が必要です」

 ティホン司教はロシア軍の指導者がへルソンから撤退すると発表した直後にこうコメント。もちろんプーチン氏の許可を得て発言しているとみられるが、インテリジェンス関係者の間では「振り上げた拳を降ろせなくなったプーチン氏の『和平交渉』をしたいという本音を代弁しているのかもしれない」という見解も広がっている。

 とはいえ、ウクライナのゼレンスキー大統領は「占領者から土地全体を解放しなければならない」とはっきり主張しており、折り合いはつきそうにない。