ロシア軍は部分動員令を発し30万人を動員したが、訓練不足や装備品が足りないまま戦場に送られているため、海外から「ラグタグ(寄せ集め)部隊」と呼ばれている。そんな中、プーチン大統領がかつてあたためていたロボットバトルスーツ着用の〝アイアンマン・ソルジャー〟を投入する可能性が出てきた。英紙ザ・サンなど、複数の欧米メディアが報じている。

 ロシア軍の悩みは訓練不足の兵士だけではない。プロ兵士も食料、装備品を自腹購入させられる上、ウクライナ軍はNATOからの援助で兵器が豊富。ロシア兵士の士気は下がる一方だという。

 外骨格アシストスーツというものがある。装着すれば、軽い力を出すだけで、アシストスーツのおかげで重いものを持ち上げることができる。日本でも外骨格アシストスーツは介護分野で活用されだしている。プーチン氏はそれを改造し、〝アイアンマン・ソルジャー〟を生み出し、戦争に投入しようというのだ。

 ロシアのRIAノーボスチ通信社の取材に、「エクゾ・ソリューション」のマキシム・スココフCEOは「戦場での機器のテストを検討している〝特別機関〟からアプローチされた」と明かした。同社は産業用の比較的手頃な価格の外骨格アシストスーツとハーネスを製造している。〝特別機関〟とは、ロシアの諜報機関または民間傭兵グループの可能性が高い。

 さらにスココフ氏は「砲兵は装填中の砲弾の重量を軽減するために外骨格スーツをほしがっている。11月か、12月にトレーニンググラウンドでテストを行い、〝顧客〟が実際に当社の機器の有効性をテストする予定です。現在、月に約50個の外骨格アシストスーツを製造していますが、必要に応じて、生産を増やすことができます」と話している。

 サン紙によると、ロシアは何年もの間、秘密裏に軍用の外骨格アシストスーツの開発に取り組んできた。昨年、ロシア国営軍需産業企業「ロステック」社は〝アイアンマン・スーツ〟が「シリアの戦場で、非常に効果的であることが証明された。兵士の能力を向上させるだけでなく、部隊全体の戦闘能力を向上させる」と主張していた。

 ロシアの科学者は戦争に特化した〝アイアンマン・スーツ〟の完全版を2025年までに設計を完成させたいと考えているという。