日本ハムの近藤健介外野手(29)が海外FA権を行使して移籍市場にエントリーした。

 近藤は11年間在籍した球団への感謝を語りながら「シーズンが終わり侍ジャパンに集中する中で、もっと考える時間と材料が必要だと判断しこの決断に至りました」と経緯をコメント。通算打率3割7厘、同出塁率4割1分3厘を誇るヒットメーカーにはすでにオリックス、ソフトバンク、西武、ロッテが関心を示し残留交渉を続けていく日本ハムを含むパ・リーグ5球団による大争奪戦の様相を呈している。

 来年2023年に新球場「エスコンフィールド北海道」のオープンを控える日本ハムにとってチームの顔である近藤の流出は一大事。近藤は3年契約を結んだ19年オフ時点で「FAする気はない。新球場でやりたい気持ちが強い」と語っていたが、翻意した背景にはこの数年間で様変わりしてしまったチーム編成がある。

 17年オフに大谷がメジャーへ旅立って以降、チームは低迷期に突入。昨季中にはチームの主砲・中田が不祥事もあって巨人へ移籍し、オフには主力選手の西川、大田らが「ノンテンダー」で〝放出〟された。その後、新庄剛志監督(50)という〝劇薬〟を投入し、抜本的再建を図ることになったが、若手に希望を与える一方で、近藤のような実績組を戸惑わせたのも事実。新庄監督の「優勝は目指さない」発言は新鮮かつセンセーショナルに受け取られた半面、ここ数年間の低迷で「勝利」に飢えていた中堅勢には、プレーヤーとして貴重な1年を目標設定の難しい状況に追い込んでもいた。

 一番の問題は現在、球団が進めているチーム再建に期限が定められていないこと。新庄監督は「来年は優勝以外は目指しません」と豪語しているが、日本ハムの現有戦力で優勝がかなうほどパ・リーグは甘くない。

 誰より勝利に対する飢餓感を持ち、来年で30歳を迎える近藤が、出口の見えない再建期にプレーヤーとしての最盛期を捧げられるのか…。近藤のFA宣言の行き先は日本ハム球団に対するシビアな回答となりそうだ。