西武は今季が終了した9日のCSファーストステージ第2戦後、敵地・ペイペイドームで辻発彦監督(63)の退任を発表した。
奥村剛球団社長は6年で5度のAクラス入り、2度のリーグ優勝、若手育成の手腕に感謝の言葉を並べ「昨年から今年にかけて再び立て直しを図っていただいたこのタイミングが、後進に引き継ぐベストなタイミングだったということを球団として判断した。首脳陣の若返りというところを一つ目的としている」と指揮官交代の経緯を説明した。
後任は松井稼頭央ヘッドコーチ(46)の昇格が決定的となっている。
昨年、42年ぶりとなる最下位の責任を取り一度は辞意を伝えた辻監督に球団が続投要請したのも、後任となる松井ヘッドコーチ、参謀となる平石洋介打撃コーチの新体制にスムーズにバトンを渡すためだった。
松井ヘッドコーチの次期監督構想の動きは5年前にさかのぼる。
当時、まだ楽天のプレーヤーだった松井ヘッドを15年ぶりに西武に復帰させたのはその時点ではシニアディレクター(SD)職にあった渡辺久信GMだった。
2000年代から相次いだ主力選手のFA流出の流れを食い止め、どうにか反転させようと、それまでの体制では発想になかった〝出て行ったFA流出者をチームに戻す〟帰還作業の第1弾が松井稼の復帰だった。
これがその後、許銘傑が18年に二軍投手コーチとして復帰(20年で退団)。今季のチーム防御率をリーグ1位に改善した豊田清投手コーチも20年から15年ぶりに古巣復帰する流れの起点となった。
自身も西武を戦力外となり野村ヤクルト、台湾・嘉南で指導者の下地をつけ、2004年に二軍投手コーチとして西武に復帰した経験を持つ渡辺GMは「外に出て苦労した経験が指導者としての奥行きになる」という。
西武復帰後、選手兼任テクニカルコーチとして1年、二軍監督として3年、一軍ヘッドコーチとして1年をかけ、満を持してその時を待つ松井ヘッドにとっては専門外である投手部門の立て直しにある程度の目鼻が立ち、自身の専門である「1番打者問題」が未解決で、若手の育成を含んだ打線の立て直しが急務となっている今が、やはり最適の登板タイミングなのかもしれない。












