岩波書店の公式ツイッターが29日までに「岡義武『山県有朋』、文庫版は現在重版中です。新書版は電子書籍にてお読みいただけます」と告知。27日の安倍晋三元首相国葬で、菅義偉前首相が故人の「読みかけの本」として紹介し、光が当たったことで、同書への関心の高さをうかがわせている。
菅氏が同書の内容で触れたのは、元首相の山県が同じく元総理で先に死去した伊藤博文をしのんで詠んだ歌。これに自身の安倍氏への思いを重ねた言葉が、昭恵夫人らの涙を誘った。
これで同書が注目されるに至ったが、山県については「強権的」「権威主義」「良いイメージというのはなかなか難しいものがある」「あんま良いイメージの無い政治家だけど」などといったツイッター投稿が少なくない。
長州藩出身の陸軍軍人のイメージが強い山県。国会図書館による「近代日本人の肖像」にも「民権運動を抑圧するとともに、中央集権的な地方制度の確立につとめる」という一節がある。死後、元首相の石橋湛山が「死もまた社会奉仕」と書いた話は有名だ。
山県については安倍氏の国葬への反対・疑問の声が高まった当時も名前が出されていた。比較された相手は元首相で〝政敵〟の大隈重信。ともに1922年に世を去り、山県は国葬、大隈は「国民葬」で送られた。1月に死去した大隈の国民葬には膨大な数の人が集まり、2月に死去した山県の国葬への参列者はそれに遠く及ばなかったと伝えられる。
この葬儀エピソードが安倍氏の国葬でよみがえり、山県の〝不人気〟も改めて浮かび上がらせた格好に。「ガースー」こと菅氏の弔辞は山県のイメージを良くする材料になりそうだが、歴史上の人物だけに固まった〝評価〟はなかなか変わらないようだ。












