ヤクルトが2年連続9度目のリーグ優勝を決めた。球団としては29年ぶりの連覇で〝黄金時代〟到来も予感させる圧倒的な強さだった。そんなチームで2年連続6度目となる開幕投手を務め、ローテーションを守り切ったのがエース・小川泰弘(32)。選手会長としてナインをまとめ、今季プロ10年目を迎えた〝ライアン〟が、自身、同僚への思いを独占手記でつづり、本紙に寄稿した。
チームとしてキャンプからセ・リーグ連覇を目指し、先代の先輩たちもできなかった高い目標を持ってスタートして、それをかなえることができて良かったです。ここまでいい時も悪い時もみんなで団結して進んでこれた結果の連覇はすごくうれしく思います。
個人的に振り返ると、今年はいい時も悪い時もありました。ただ、調子が悪い中でも何とか歯を食いしばってやれたと思います。もちろんチームに迷惑もかけたところもあったんですけど、何とかここまで完走できて良かったと思います。
苦しかったのは7月にチーム全体でコロナが流行した時ですね。ベストメンバーじゃない中で戦うつらさというか、そういうのもありました。自分は先発をしてるので、なかなか試合はつくっても勝てないことが続いたり、打ち込まれる時もあって…そういうトンネルが長かったので。
そういう時はつらかったですね。先発投手は週に1回しか投げないので勝てない時とかはつらいですけど、先発ローテを外れずにずっとやれたところは唯一良かったのかなと思います。自分はとにかくすべて受け入れて次の試合に万全な準備をして臨むというか。先発の責任を果たしていきたいという、毎試合そういう気持ちの繰り返しなので。勝っても負けても、しっかり切り替えてという気持ちでやってました。
そんな中でも9月のDeNA戦では2試合続けて勝つことができた。そういう大事な試合で勝つっていうところが求められるし、すごく大事なことなのかなと思うので、そこで力を出せたところは良かったのかなと思います。
自分は2015年の優勝も経験していますけど、今はチーム力が上がったと感じます。試合に出ている人も出ていない人も関係なく、一体感というか、全力で目の前の1勝に向かって進んでいけている。今年はその積み重ねがすごいあるのかなと思います。チームの一人ひとりが役割を理解して、それに徹してやっているというところがいいのかなと思うんですけど。
そんな中で高津監督の存在は大きいですね。節目節目で声をかけてくださったりしますし。投手出身の監督なので、すごく厳しく勝負されてますし、求めるものも高いと思うんですけど、一方でメリハリをすごくきかせて、雰囲気作りとかもしてくださいますし。
自分は4月、勝てない時に「中心としてチームが乗っていくような投球を期待している」と高津監督に言っていただいたんですけど。そのことを言われた時は、自分が何かを思ったというより、その言葉を受け止めたっていう感じですよね。
ふがいない投球もあってその後に言われたひと言でしたし、もう一回、気持ちを入れ直してという思いでしたね。今、それにどれだけ近づけているのかわからないですけど…。あとこだわったのはローテを外れずに投げていくっていうところですね。
そこはチームからもすごく必要とされますし、自分も最低限そこはクリアしないと、と思ってました。1年間、ローテを外れずに、ここまでケガせずにできたので良かったのかなと思います。
あと自分にとっては石川さんの存在も大きいです。チームの中で石川さんは自分にとって雲の上のような人なんですけど…。ただ、石川さんは本当に気さくにいろいろ話してくださいますし、アドバイスもいただきますし、本当にありがたい先輩でもありますね。
石川さんは遅いボールが上手なんで、その感覚を聞いたりもします。自分の投球練習もたまに見ていてくれることがあるので「どんな感じになってますか?」とバランスを聞いてみたりとか。キャッチボールもよくさせていただくので、その時その時で感じることを言ってくれるので、本当にありがたいですね。
今年で21年目の石川さんを見て「自分も」という気持ちはあります。10年目なので、あと10年やれば20年ですね。もちろん厳しいことだと思うんですけど、一年一年勝負と思って毎年やっているので、その積み重ねでそうなっていけばうれしいです。
あとチーム全体を見た時に奥川選手や高橋選手のように20代前半のそういうイキのいい選手、核となる選手が出てくることはチームにとってすごくいいことだし、自分にとっても刺激にもなります。そこはどんどん出てこないといけないのかなと思いますね。
ただ、開幕投手やそういうところでは負けないという気持ちはありますし、譲る気もないです。もちろん力で追い越されるっていうことは当然あると思うんですけど、自分の気持ちとしてはまだまだ頑張っていきたいと思っています。
今年2年連続で優勝できたので、次は3年目やりたいなと思います。先輩たちが達成できなかったことを達成したい。今のチームはみんなすごいですし。チームでやっているので、その一つのピースとして貢献できたらうれしいなと思います。
(ヤクルトスワローズ投手)












