安倍晋三元首相が銃撃され、死亡した事件を受けて、プロレス界も深い悲しみに包まれている。安倍さんはプロレス好きとして知られていたからだ。

〝燃える闘魂〟アントニオ猪木氏は自身のツイッターを更新し「安部さんとは結構付き合いがあったんで、何というのか、惜しい人を亡くした」などと追悼コメントを発表した。猪木氏の弟子で、バルセロナ五輪柔道銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏も取材に「安倍さんとはオレがハッスルをやっていたころ、遊説に同行させてもらった。東京で一緒に食事もさせてもらったし。もう、ショックが大きすぎる。正直、何で? という気持ちでいっぱい…」と語り、声を落とした。

 小川氏は2004年7月の参院選、05年9月の衆院選で自民党の選挙応援を行っている。いずれも当時自民党の幹事長だった、安倍さんの要請によるものだったという。小川氏が主戦場にしていたプロレスイベント「ハッスル」が大人気だったこともあって、安倍さんは小川氏とともにハッスルポーズを披露して話題となった。

「プロレスのこともたくさん話されていたよ。(ジャイアント)馬場さん、会長(猪木氏)のことはもちろん(フレッド)ブラッシー、(ザ)デストロイヤー、ミル・マスカラス…そんな名前が出ていたね。ブラッシーのかみつきのことを話されていたのはすごく覚えている。すげー、プロレスが好きなんだなと思ったよ」

〝プロレス愛〟にあふれた安倍さんには、別の思惑もあったという。小川氏によれば「選挙、出ないかと勧められたんだよね。オレにはプロレスがあったから、お断りさせていただいたけど…」。

 それ以来、対面する機会はなかったが「(小川)道場を開いたときにお花をいただいたし、わずかの期間だったけれど、ご一緒させてもらい、お話を聞いたことは本当にその後の人生に役立つ経験になった。心からご冥福をお祈りいたします」と哀悼の意をささげた。