DDTを主戦場にする秋山準(51)が王道マットと〝決別〟だ。昨年は全日本プロレスとの契約を残したまま7月1日付でDDTにレンタル移籍したが、全日本とは年末をもって契約満了となった。今月上旬に左膝半月板損傷による関節鏡下半月板切除術を行い、31日のDDT東京・板橋グリーンホール大会で復帰する王道継承者はこれからどこに向かうのか? 古巣への感情、そして気になる今後について激白した。


 ――全日本からDDTへのレンタル移籍期間は昨年いっぱいで終了した

 秋山 今はフリーですね。フリーとしてDDTに上がらせてもらっています。全日本とは年末で契約が切れているので。全日本から契約延長の話? ないですね。全日本へマイナスな感情? そんなもの、ないない(笑い)。「ありがとうございました。大変お世話になりました」っていうだけですよ。

 ――そうだったのか

 秋山 まあ、全日本は全日本で新しい動きになっていて、その中に俺は入っていないだろうし。それはそれでまた新しいものをつくり出していけばいいと思うし、俺は俺でDDTでやらせてもらって、自分で答えを出すと。(DDT社長の)高木(三四郎)さんと全日本の福田(剛紀)社長とで話をしてくれたみたいだけど、俺は詳しくはわかりません。

 ――2月14日神奈川・カルッツかわさき大会ではKO―D無差別級王者の遠藤哲哉(29)に挑戦する。先ほど高木社長と会談を行ったが

 秋山 高木さんには〝いいお話〟をもらっています。でも(DDTの)重荷にはなりたくないからね。今は(左ヒザの)手術をしたばかりの状況でしょ。手術をして前より良くなったと言っても術後は術後だし。この先どうなるのかという部分で、ベルトのかかった試合で自分で納得できるかどうか。結果も内容も含めてね。

 ――〝いいお話〟とは契約に関することか

 秋山 (うなずいて)でも、俺がDDTに対して何をすればいいか、何ができるかというのをしっかり考えて答えを出したい。今は目の前にタイトルマッチがあるから、そこに集中させてもらっているところです。その試合で結論を出したい。そこでバシッと「これでいく」という答えが出ればいいと思います。

 ――タイトル戦も見据えて左ヒザに関節鏡を入れた。術後の経過は

 秋山 いいですよ。術前はヒザがロックしていて全く伸びなかったから。まだ3週間だから思い切り体重をかければ痛いけど、これは悪いものを取っての痛みだからね。やっていけばそれもなくなっていくでしょう。それに、痛いのは慣れてるから(笑い)。昔から骨が折れてても(リングに)上がったりしていたんで。

 ――タイトルマッチは万全で臨めそうだ

 秋山 そうですね。ただ、ヒザ蹴りは左が軸足だから厳しいかもしれない。ぐっと踏み込まないといけないから。でも、それなら逆に右ヒザを軸に左で蹴ればいい。(狙いが)定まらないからむしろ相手にとっては危ないけど。ちょうど今(元全日本でフリーになった)岡田佑介がDDTに来てるんで、道場に呼んで試し打ちしてもいいし。

 ――王者の遠藤は昨年、東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」技能賞を受賞する活躍だった

 秋山 身体能力が素晴らしいし、最近はコメントもいいのを振ってくれて、すっかり優しくなった俺でも怒りやすいようにしてくれるからね。いいパスを投げてくれてるけど、パス投げるっていうのはいろんな球を投げないといけないんだよって。どんな球か? それはもう、お手本を見せてあげるから、そのためにもベルトを俺に寄こしなさいってことですよ。

 ――2月12日はノアが10年ぶりに開催する日本武道館大会に出場。丸藤正道(41)と組んで清宮海斗(24)、稲村愛輝(28)組と対戦する

 秋山 そこはお祭りなので。若い2人がうまく俺に火をつけて、14日(のタイトル戦)にガーッていけるようにしてほしいよね。でも、俺に火をつけたらその後、鎮火させるのは大変だよ。


【DDTで破竹の快進撃】昨年5月にDDTのゲストコーチに就任した秋山は定期的に試合にも出場。大石真翔(41)、渡瀬瑞基(29)、岡谷英樹(20)とユニット「準烈」を立ち上げた。

 その後は同年末まで契約がある全日本とDDTの間で交渉が行われ、7月1日付でレンタル移籍が成立。以降はレギュラー参戦した。全日本マット登場は、8月15日に後楽園ホールで行われた青木篤志さんのメモリアル興行が最後となった。

 DDTでは、文字通り水を得た魚のごとき活躍を見せた。11月22日に開幕したシングルリーグ戦「D王GP」は4勝2敗で優勝決定戦に進出。12月27日後楽園大会では、11月3日大田区大会に続きエースの竹下幸之介(25)を下して初参戦優勝を果たし、KO―D無差別級王者の遠藤に挑戦を表明した。

 全日本との契約は昨年末で満了。1992年9月にデビューし、ノアを経て2013年7月から再び所属として活躍した王道マットから離れることになった。