波乱の前触れか――。首位を走りながらもチーム状態が上がらない巨人・原辰徳監督(62)の導火線にいよいよ火がついた。最下位の広島に屈辱の3タテを食らい、怒りの矛先は裏方スタッフにまで〝飛び火〟していた。本調子にない坂本勇人内野手(31)、丸佳浩外野手(31)、岡本和真内野手(24)の中心選手3人への風当たりも強まる一方で、何やらキナくさい空気も立ち込めている。

 2位DeNAと4・5ゲーム差あっても、心中穏やかではなかった。敵地マツダで3連敗し、24日に帰京した原監督は広島空港で不気味な〝自虐ネタ〟を連発した。

「数字(成績)的には(菅野)智之だけだもんな。打撃30傑に誰もいねえみたいなね」と自嘲気味に言い放ち「1番バッター、5番バッターっていうのが課題だった。今は1番も2番も3番も4番も5番もだな、へへへ」とかましたのだ。

 誰に向けられた言葉かは明白だ。坂本、丸、岡本は昨季5年ぶりリーグVを果たした原巨人の象徴。今季もこの3選手中心に構想が練られたが、思い通りに運んでいないのが現状だ。坂本は打率2割2分7厘で復調気配の丸も同2割5分7厘、18本塁打&45打点で打撃2冠の主砲・岡本も8月は1割9分4厘と下降線をたどっている。

 ただ、3人とも足並みが揃わないのは指揮官も〝想定外〟。「4番・岡本」を除いて流動的なオーダーを組むのも「どこかに『奮起せいや!』ということが込められている」といい「やっぱり3人が引っ張られてはダメ。引っ張らないとダメ」とバッサリだった。

 日ごとにたまり続けるウップン…。早く低迷から脱却しないと、思わぬところに火の粉がかかりかねない。実は3連敗を喫した前夜の試合後、球場から選手宿舎へ向かうバスに乗り込む直前に、原監督はあるスコアラーを呼び止め、数分間にわたって〝叱責〟した。一夜明けて、このやりとりを問われると、指揮官は包み隠さず内幕を明かした。

「スコアラーとして『あるバッターに対して(投手に)どういうふうに指導、伝えているの?』というのをね。伝える側が『このボールから入らなくちゃいけない』とか『ボールから入りなさい』とか、そういうのはすごく後ろ向きな言い方になるでしょ。例えば、超積極的なバッターなら『甘かったら打たれる。初球は厳しめにいかないと』とかね。やみくもに変化球、フォーク、ボールからだと(投手が)苦しくなる。そういうのをスコアラーなんだから選手を助ける、とても良いアドバイスの中で話をするのが大事ということ」

 同点の8回から登板した大竹が代打・坂倉に代わりばなの初球で決勝弾を浴びたこととみられるが、本来ならば宿舎やベンチ裏などで行うもの。選手やチーム関係者、報道陣の目が届くところで行うのは異例だ。それだけ腹に据えかねていたのかもしれない。

 となれば、主力勢も例外とは言えない。原監督が時折打撃の助言を送ることはあっても、自力での復調を促しているのは信頼の裏返しでもある。飛び火の拡大を防げるかは、やはり〝サカ・マル・オカ〟のバットにかかっている。