巨人の二軍が赤っ恥だ。13日、ジャイアンツ球場で中大とのプロ・アマ交流戦が行われ、阿部慎之助二軍監督率いる巨人は7―20で歴史的な大敗を喫した。
投手陣が出だしからつまずいた。まずは先発右腕の桜井俊貴が4回を投げ、3本塁打で5失点した。5回以降は育成4投手が登板したが、3番手の巽が7回に満塁本塁打を浴び、8回から登板の高井も6失点。さらには5番手・山川も3失点して、終わってみれば5投手が11四球を与え、5本塁打を含む計19安打を許し、20失点した。
相手は強豪とはいえ、アマチュアの大学生。打線が7点を奪ったなどというのはこの際、どうでもいいことだろう。ましてや中大は阿部監督の母校。今月7日には指揮官の恩師である宮井勝成総監督が亡くなったばかりで、この一戦は両軍にとって〝弔い合戦〟でもあった。「試合を見せてあげたかった」と話していた阿部監督は悔しさを押し殺し「母校が強くなって良かった」とコメントしたというが、腹の中は穏やかではないはずだ。
中大といえば毎年ドラフト注目選手を多く抱える東都大学リーグの雄。アマチュアに毛が生えた育成選手が失点を重ねたのは仕方ないとしても、一軍経験豊富な桜井が3被弾でKOされたのはいただけない。こうなると、嫌でも4年前の〝東大炎上騒動〟が思い返される。
2016年8月25日、ドラフト1位入団の桜井が巨人三軍の先発としてプロアマ交流戦の東大戦に先発したが、6回11安打7失点と大炎上した。試合にはなんとか勝ったが、天下の巨人ドラ1投手があの東大打線に打ち込まれた一件は大問題に発展。古株のOB陣から「スカウトを出せ! 責任問題だ!」との声が噴出した。
桜井はその後も数年くすぶっていたが、ようやく昨年8勝を挙げてブレーク。だが今季は6試合登板で2勝2敗、防御率4・81とピリッとせず、ファーム調整となっていた。この日は降板後に「自分自身に腹立たしいですし、情けない気持ちです。より一層気持ちを入れて練習に取り組んでいきます」とコメントした。
東大騒動の記憶がようやく薄れてきた中、またも名門のプライドが傷つく屈辱的な試合の主役となってしまった桜井。ドラ1右腕と阿部巨人の奮起に期待したいが…。