〝まさか〟の本塁打だった。広島・上本崇司内野手(31)が13日の日本ハムとのオープン戦(マツダ)で0―0の9回二死一、二塁の場面で左翼へ、一軍では〝プロ初〟、そして〝人生初〟のサヨナラ3ランを放ち、ヒーローになった。

 バットに当たった瞬間は「外野は越えるなと思った」という上本は、それでも「あそこまで飛ぶと思っていなかった」と無我夢中で走った。二塁を回る時に広陵の後輩である水口審判員に「入ったんすか? 入った?」と確認した。

「入りましたよ」と言われ、ダイヤモンドを一周した。ホームでチームメートから手荒い祝福を受けた。三塁ベンチでは日本ハムの新庄監督が拍手を送っていた。上本は「ほんとっすか? 興奮してそれどころじゃなくて…」と気付かなかったという。

 置かれた立場は十二分に自覚している。「(自分は)レギュラーじゃない。このままじゃ二軍に行くことになってもしょうがないと思っていた」と振り返り「打たないと試合に出られない。守備と走塁で出ていても代打を送られたら終わりなので」と〝ヒーロー〟ながら厳しい表情だった。