【ラグビー元日本代表・有賀剛のGO’s EYE】ベスト8確率は70%――。アジア初開催となるラグビーの第9回W杯は20日に開幕。11月2日の決勝(日産ス)まで全国各地で熱戦を繰り広げる。本紙では元日本代表の有賀剛氏(35=サントリーBKコーチ)の解説「GO’s EYE」がスタート。日本代表が臨む開幕戦の1次リーグA組初戦ロシア戦を前にインタビューに応じた有賀氏は、8強入りの条件とWTB松島幸太朗(26=サントリー)ら3人のキーマンについて激白した。

 ――8強入りが目標

 有賀氏:約70%の確率と考えている。大事なのはタックルパーセンテージ。(6日の)南アフリカ戦を例にすると、日本のタックル数は69(南アは164)で成功率は75%(南アは86%)。強豪に勝つには85%は欲しい。それにノックオンやブレークダウンなどボールを失う回数も18回あったが、それだとアイルランドやスコットランドには勝てない。10回以下に抑えたい。

 ――細かいミスなどを抑えれば期待できる

 有賀:懸念しなければならないのは、いざロシア戦のキックオフとなったとき、今までにないプレッシャー、期待、会場の雰囲気というのは感じるので、いつものプレーを出せるか。W杯経験者が少ない(31人中10人)と指摘されているけど、初戦でいいパフォーマンスができたら勢いづく。そういう意味で初戦が最も重要になる。

 ――日本代表の現状をどう見ているのか

 有賀:PNC(パシフィック・ネーションズカップ)で3連勝。アタック力は世界で五本の指に入る。ゲインラインを切れたら外に運ぶ判断やFWとBKのリンケージ(FWがボールを取りに行く場合にBKが裏に走っている状況)は優れている。ただ南ア戦は前に出れずに本来のアタックをつくれなかった。ゲインメーターが全く違い、1人あたりの推進力が2メートルくらい違っていた。

 ――世界ランキング10位の日本に対し、1位のアイルランドと7位のスコットランドが難敵だ

 有賀:アイルランドは守備が強くて固い。スコットランドは堅実でしぶとい。どちらにも粘り強くゲインを切っていかないと。スペースはあるので、落とすべきところにキックを落とせればチャンスは見える。セットピース(スクラムやラインアウト)もしっかりやる必要がある。

 ――スクラムは徹底強化してきた

 有賀:その安定が勝つための必須条件。我々のときのW杯(2007年フランス大会)は(スクラムを組む)FW陣がガーッと押されまくって終わってしまったが、今はフィジカルが強い外国出身選手も入ってよくなっているし、南ア戦もしっかり組めていた。BK陣を生かすためにもFW陣が戦えるかはすごく大事になる。

 ――キーマンは

 有賀:(SOの)田村優(30=キヤノン)は代えの利かない選手。キッカーも務めるし、彼の出来が日本の勝敗を分ける。いかに平常心でプレーできるかだけど、前回(15年イングランド大会)を経験しているし、W杯後にジャパンの正ポジションをずっと担ってきたので期待できる。

 ――WTB福岡堅樹(27=パナソニック)の負傷欠場もあって、サントリーで指導する松島にかかる期待は大きい

 有賀:普通なら全試合スタメン。WTB、CTB、FBどこでもできる。寡黙そうに見えて仲間に指摘できたり、コミュニケーションも取れる。どこの国もマツをマークしてくるだろうけど、大舞台に強いので、しっかりとしたパフォーマンスを見せてくれる。

 ――SH流大(27=サントリー)もキーマンとして重要な役割だ

 有賀:周りをしっかり見れて両足でキックを蹴れる。今のラグビーはいかにスペースにボールを運ぶかが重要になっているので、相手の裏にキックでボールを落とせるのは大きい。それにチームを引っ張る、鼓舞するような人間性を持っているので、今まで通りのプレーを続けてほしい。期待したい。

☆あるが・ごう 1983年11月3日生まれ。山梨県出身。同県立日川高校から関東学院大へ進学し、主将としてチームをけん引。2006年にサントリー入りした。日本代表として07年フランスW杯に出場するなど、キャップ数は18。17年に引退し、現在はサントリーでBKコーチを務める。父の健さんも元日本代表で史上初となる親子2代での代表入りを果たした。