覚悟のFA補強が成功した。国内FA権を行使していた中日・又吉克樹投手(31)のソフトバンク移籍が13日に決定。三笠GMが「本人から『お世話になります』と連絡をいただいた」と明かした。DeNAなどとの争奪戦に発展していたが、4年総額6億円超の高評価で制した。

 かねて中継ぎ投手はチームの補強ポイントで、シーズン中から動向を注視。又吉は今季セットアッパー、抑えとフル回転し、66試合に登板して防御率1・28の好成績を収めた。通算8年間では400試合に登板、41勝26敗10セーブ143ホールド、防御率2・86。安定感と大きなケガがないタフネスぶりも市場価値を押し上げていた。

 チームは今季13年ぶりのシーズン負け越しを喫し、8年ぶりのBクラスに転落。2013年オフに大量補強に動いた時もそうだったが、今回もチームへの〝刺激〟を外部から注入する狙いがフロントにはあったとみられる。現場では藤本新監督が来季に向けて「競争は激しく、厳しくなる」と宣言。激化する競争の中にセ・リーグで実績を残した又吉をさらに加えることで、巻き返しへの本気度をフロントからも示した形だ。

 三笠GMは「しっかり中継ぎで実績ある投手がいてくれることで、チーム状況によれば、今は中継ぎをやっている先発可能性のある有望な若手を先発に配置するという計算もできる」とも強調した。又吉は中日が望めば人的補償が発生するBランク。球団はすでに人的補償で取られたくない28選手を守る「プロテクトリスト」の作成に着手している。ちまたで危惧される有望株流出という〝痛み〟が伴う可能性はある。ただ、それはチームに刺激を入れる上で覚悟していたこと。交渉解禁からわずか4日でのスピード決着は、ライバル球団に〝ストロングスタイルの鷹〟を見せつけた。

(金額は推定)