巨人・甲斐拓也捕手(33)が静かに牙を研いでいる。
今季はソフトバンク時代の2016年以来、実に10年ぶりの開幕二軍スタート。大型契約で移籍した主力捕手の配置転換は波紋を呼んだが、本人に悲観の色はない。
ファームでは6試合に出場し、13日現在で14打数2安打の打率1割4分3厘。小林、坂本達らと出場機会を分け合う一方、先発を外れた日にはいわゆる「過酷メニュー」に励んでいる。
とある日の試合前練習では、反復横跳びと捕球を組み合わせたような特訓や、しゃがみ込んだ姿勢から立ち上がって送球姿勢をつくる反復練習を消化。歯を食いしばりながらも笑みを浮かべる姿に、ベテランの意地がにじんだ。
田口昌徳二軍バッテリーコーチ(55)は「一軍にいつ呼ばれてもいい状態を作らせている。試合と練習の両輪で体のキレだけは失わないように」と説明。「一軍では行わない練習なので、きつく見えるかもしれないけど必要なこと」とも強調している。
一方で、甲斐と小林のベテランコンビがそろう二軍は、若手にとって何物にも代えがたい教材でもある。同コーチは「二軍にいる以上、ピッチャーも育ててほしい。そういう狙いもある」とした上で「2人はベンチで積極的に声を出す。若手には『2人がそこまでやるんだったら』って気付きもあるだろうし。何が足りないか分かっていない投手もいるので、2人には『気づいたことはどんどん言ってね』って伝えてます」と明かした。
それでも視線の先にあるのは一軍復帰だ。ファームの現場でも「拓也と組みたいピッチャーもいて、山崎(伊織)は特に(そう)。伊織が(一軍で)投げる時に一軍に行く可能性もありますよね」とささやかれるなど〝バッテリー昇格〟の可能性を示唆する声も出ている。
背番号10は汗にまみれながら、その時を待っている。












